弦楽器 Q&A
弦楽器に関するいろいろな疑問にお答えします。
2023年12月31日をもちまして、新規投稿・コメントの書き込みを終了させていただきました。
5203件のQ&Aがあります。
Q:バスバーに沿った表板の割れ修理
投稿者:リナルディ大好き 投稿日時:2011/01/28 11:31 ---238.206.148
こんにちは。いつも興味深く拝見しております。ところで今私が弾いているVnはリナルディラベル(1899)の楽器です。音については大変満足しているのですが、表板に割れを修理した痕が何箇所かあります。T.J.Holderというパリの人物による1939年のリペアラベルが貼られており、修理自体はかなり上手なものだと思いますが、一箇所、バスバーに沿った表板の割れの修理も見受けられます。バスバー割れは楽器の価値を下げると聞いたことがあるのですが、具体的にはどのような悪影響があるのでしょうか?識者の皆様にご教授いただけますと幸いです。
投稿者:ゴマゾウ 投稿日時:2011/01/28 23:47 ---156.112.8
100年位前のモダンヴァイオリンでも修理痕のあるものはとても多い・・・にもかかわらずよい音が出ている。
特に音に影響する表板はその木材(スプルース)の性質から木目に添ってほぼ直線的にひび割れが発生する。これは密度が高く堅い裏板(メイプル)に比べ修理を容易にしているんだ。
お訊ねのバスバーに沿った表板のクラックはおそらく裏側にクリーツ(またはパッチ)という薄い木材の小片をキズの長さ分点々と貼り付けていると思うけど・・・結論的に言ってきちんと良いリペアが施されているものなら何ら問題なし。
モダン(オールドならなおさら)楽器で表板に2〜3本の割れキズのあるものでもきちんと修理してあるものならば音自体も何ら劣化しないし、その価値も殆ど下がらない。また、仮に魂柱付近の割れを致命傷だと思い込んでいる輩も結構多いが、これも良い修理がしてあれば殆ど問題なし。
良い楽器はそうやって的確なメンテナンスをしながら長い年月を乗り越えてきた。文章からその楽器によほど惚れ込んでいるみたいだし、そんなに安い買い物でもなかった筈だから、まあ、質問者さんと縁があったんだろうね。これからも生涯大切にすることだね。
投稿者: リナルディ大好き 投稿日時:2011/02/01 09:26 ---238.206.148
ゴマゾウ様
ご回答をありがとうございました。確かに仮にこの割れ修理が楽器の音や寿命に悪影響があったとしても、小生は今のこの楽器の音が気に入っているのですから、これからも大切にしていくことには変わりありません。今後もメンテナンスに気を使いながら生涯の伴侶とさせていただくことといたします。改めてありがとうございました。
Q:バイオリンのE線に関する質問です
投稿者:アルパカ 投稿日時:2011/01/27 21:53 ---0.93.83
バイオリンのE線に関する質問です。
一般的な傾向として、テンションの高いE線を張ると、G線やD線といった低音弦の音量が減少するというようなことはあるのでしょうか?
テンションの高いG線を張るとE線の鳴りが弱くなるとか、特定の弦のテンションを高くすると、その反動で他の弦の音量が減少するというような一般的な傾向があるのであれば、そうした傾向についても教えていただけると助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿者:甘桶奏者 投稿日時:2011/01/29 19:58 ---57.115.204
テンションの高いE線を張るとG線の音量が減じられるというような傾向はあると思います。E線に限らず特定の弦のテンションを高くすると、その反動として他の弦の音量が増えたり減ったりするというような影響を受けるというような傾向もあると思います。
私の経験では
・G線の音量を増したい場合は、テンションの高いG線を張るよりも、むしろD線のテンションを低くする方が効果的(D線のテンションを上げると、かえってG線の音量が減じられてしまう)
・E線の音量を増したい場合は、テンションの高いE線を張るよりも、むしろA線のテンションを高くする方が効果的
だと思います。
テンションの高いG線やE線を張って音量が増える場合もありますが、テンションを上げた副作用として、音が詰まることがります。
E線はそのままにして隣のA線のテンションを上げることによってE線の音量が増すのに対して、G線はそのままにして隣のD線のテンションを下げることによってG線の音量が増すというように、隣の弦のテンションの上げ下げが、他の弦の音量に影響を及ぼすというような傾向はあると思います。
アルパカさんの参考になれば幸いです。
この件については私もいまだ探求中ですので、この場をお借りして他の博識な諸兄のご意見もお伺いしたいところではあります。
投稿者:アルパカ 投稿日時:2011/01/30 13:09 ---0.93.83
甘桶奏者様。ご教示ありがとうございます。
隣の弦のテンションを変えることによって、音量のバランスを整えるという方法は思いつきませんでしたので、勉強になりました。色々と試してみたいと思います。
どうもありがとうございました。
Q:Mathias Heinickeの楽器について
投稿者:かいと 投稿日時:2011/01/29 22:24 ---237.60.139
Mathias Heinicke(マティアス・ハイニッケ)については過去ログにも書かれておりますが、この製作家は一代で終わったのでしょうか?それとも子孫が継承したのでしょうか?
ある年代を境に、ラベルの表記がドイツ語からチェコ語に変わったみたいですが、それが初代の時代なのか、または子供がいて引き継いでから変わったのかを知りたいです。
また、Mathias Heinickeは工房を構えていたのでしょうか。
そうなると弟子もいたと思われますが・・・。
宜しくご教示願います。
Q:西洋梨
投稿者:Charlie 投稿日時:2011/01/22 06:18 ---148.220.189
私の楽器は、300年くらい前のイタリア製のチェロなのですが、材料が西洋梨の木とのことです。西洋梨の木は当時、入手しやすかったんでしょうか? 西洋梨の木を使っているので、当時は、最低クラスの楽器だったとのことです。
西洋梨の木で出来た楽器って他に有るんですか? 材料としては
本当に最低なのでしょうか?
投稿者:元喜 投稿日時:2011/01/22 15:36 ---223.144.60
リコーダーではよく見ますね!
割と高級品だと思ふけど。
投稿者:木村哲也 投稿日時:2011/01/22 18:47 ---30.170.226
私が実際に見たわけではありませんが、Sgarabottoの楽器に使ってあることがあるそうです。杢入りのものが使ってあるらしいので、ぱっと見ただけでは分からなかったということです。
梨ではありませんが、昔の楽器(16-18世紀)で柳やポプラを使ってあるものは、特にビオラやチェロでは珍しくありません。このような材料は、地元付近(例えばクレモナのポー川周辺)で採れる木材だったので比較的安かったのでしょう。でも、材料が悪いというわけではありませんよ。上手く使えば素晴らしい楽器ができる木材です。
投稿者:Charlie 投稿日時:2011/01/29 00:28 ---6.118.197
皆さま、御丁寧な回答、有難う御座いました。大変参考になりました。これからもっと頑張りたいと思います。皆様もすばらしい音楽生活が続きますようお祈りしております。
Q:vn駒E線保護シール?
投稿者:Tage Hilton 投稿日時:2011/01/24 15:37 ---15.96.193
ヴァイオリンの駒のE線があたるところには私の楽器にはついていないのですが、近頃は初めからめり込まないように何か硬いテープ?シール?みたいなものがついていることが多い、気がするのですが、あれは何ですか?材質、何でできていて、どうやって留めてあるんでしょうか?接着剤ですか?私もやってみたいのですが、どうかおしえてください。
投稿者:masa 投稿日時:2011/01/26 12:31 ---20.108.67
どなたもお書きにならないので…
ストラッド様の「調整・修理」のページ。
本体の修理・調整料金一覧 上から4行目くらいでしょうか?
駒革貼り \300 1日〜
くわしくお知りになりたければお問い合わせを!
投稿者:Tage Hilton 投稿日時:2011/01/27 00:50 ---15.96.193
ありがとうございました。
あ、そうですか。革が貼ってあるんですか。革ねー、薄い革なんでしょうね。セメダインか何かで貼り付けてあるのかな?お問い合わせしてみたいです。
投稿者:弦喜 投稿日時:2011/01/27 00:51 ---102.247.73
以前、同じような質問がありました。
左上の過去ログ検索から
皮紙
をキーワードに検索してみてください。
Q:表板の木目
投稿者:HIRO(フレンチ) 投稿日時:2011/01/23 17:10 ---183.198.222
いつも楽しく拝見しております。
私のバイオリンは正面から見ると、表板の中心側(f字孔とf字孔の間)の木目の間隔が訳0.7mm程度で外側に行くほど広がっています。一番広い所は3mm程度あります。
木目の間隔が中心部と外側とではかなり違いますが、このような楽器はよくないのでしょうか?音は気にいっているので問題だとは思っていませんが、将来の買い替えのため、御意見をきかせてもらえれば助かります。
よろしくお願いいたします。
投稿者:猫丸 投稿日時:2011/01/23 17:55 ---201.175.161
>外側に行くほど広がっています。
フレンチにあるようですが、まれに一枚板の表板がありますが、ほとんど全部が真ん中で継がれています、この時接合部分、すなわち楽器の中心に当たるところが木目の詰まったようにして、外側に行くほど木目が広がったようにするのが伝統です。
一枚板はそうなりませんが、全く正常です。
逆に中心の木目が広がっていると、異常でしょう、逆方向は見たことありません。
投稿者:HIRO (フレンチ) 投稿日時:2011/01/24 22:05 ---183.198.222
猫丸様
音は気に入っているので問題だと思っていないとは言いながらも少し気になっていたので、安心いたしました。
どうもありがとうございました。
Q:チェロ Ruggieriについて
投稿者:通りすがりの翁 投稿日時:2011/01/17 10:38 ---124.216.118
新しいチェロを購入したいと思って、いろいろなショップを回っています、チェロのRuggieriモデルという楽器があると聞いたのですが、このチェロはどのような楽器でしょうか?お分かりの方がいればお教えいただければ幸いです。よろしくお願いします。
投稿者:ヴァイオリンとフルートのRio 投稿日時:2011/01/19 10:50 ---13.51.97
Francesco Ruggieriという昔の製作者の名前に由来するもののようです。この名前で検索してみたらいかがでしょうか。私はチェロについては全くの無知ですが、ヴァイオリンと同様、幾つかのモデルがあるのでしょう。モンタニアーナモデルと言うのも聞きますね。チェロのタイプについての話ですから、「チェロ」についてお調べになれば、行き当たるのではないでしょうか。
投稿者:Pro Cellist 投稿日時:2011/01/24 21:25 ---110.233.213
Ruggieri(ルジェリ)モデルというのは、Francesco Ruggieri(1630 - 1698)のチェロの製作パターンを手本として制作された楽器と考えられます。Francesco Ruggieriはイタリアの製作者で、とくにそのチェロは高く評価います。ただし、それをモデルにしているから良い(音の出る)楽器とはかぎりません。それはストラドモデルの楽器は山ほどありますが、優れた楽器から問題にもならようなない楽器まであります。要は製作者の技量しだいです。
Q:ドミナントとオブリガートの比較
投稿者:バラモス 投稿日時:2011/01/22 01:24 ---2.147.91
現在、ヴィオラにドミナントを使用しています。最近オブリガートを試そうかと考えているのですが、ピッチの安定性と耐久性はドミナントと比べてどのような感じでしょうか。
ご存知の方ぜひともご教示ください。
投稿者:カディスの赤い星 投稿日時:2011/01/22 21:19 ---5.211.162
39.5cmと小振りのヴィオラですがドミナントに比べて、オブリガートのC線は艶やかな深みのある音色です。G、C線の安定性、耐久性はドミナントよりは良いような気がします。しかしA線はよく切れたので(スチール/アルミの組合せのためか?)、今はA、Dはエヴァ・ピラッツィを、G、Cにはオブリガートを張っています。ちなみにワーシャル・ブリリアント・ビンテージ弦は7-80年前の古いバイオリンには低音が柔らかく、高音はきらびやかな音色で最高の組合せと思いますが、ビオラのワーシャル・ブリリアント弦はキンキンとした音で私の楽器には相性が良くありませんでした(参考までに)。
Q:弓の材料について
投稿者:質問者 投稿日時:2011/01/19 17:29 ---179.112.60
こんにちは
古い弓でフランス語でbois d’abeilleという木材で出来ているものは、何の木材なのでしょうか?
あとbois d’abeille brunissageというのは、bois d’abeilleという木材がニス(バーニッシュ)で塗られたということでしょうか?
よろしくお願いします。
投稿者:木村哲也 投稿日時:2011/01/20 00:40 ---30.170.226
bois d’abeilleは、Manilkara(Ableille、Beefwood,Bulletwood)のことです。ただ、Manilkaraでもいろいろな種類のもの(Manilkara bidentata, Manilkara Kaukiなど)をひっくるめて"bois d’abeille"とよんでいるらしいので、一体どれのことなのかは、はっきりしません。
"brunissage"(英:burnishing)は、磨きの手法です。木工の場合では、例えば鉋屑や木片などを使って木地を磨く方法を指します。弓に使われる木材は硬いものなので、ニス(仏:vernis,英:varnish)を使わなくても、磨くだけで綺麗な仕上がりになります。もちろん、なかにはフレンチポリッシュやオイルで仕上げてあるものもありますが。
投稿者:木村哲也 投稿日時:2011/01/20 00:45 ---30.170.226
AbleilleとあるのはAbeilleの間違いです。
投稿者:質問者 投稿日時:2011/01/20 13:05 ---179.112.60
木村哲也様
たいへん的確で詳しいご回答ありがとうございます。
bois d’abeilleは何か分からなかったので、気分的にすっきりしました。
brunissageはburnishingとvarnishを勘違いしていました。(笑)
ありがとうございました。
投稿者:元喜 投稿日時:2011/01/21 03:44 ---223.144.60
最後にワニスをかけて絵画を完成させるといふことからvernissageは展覧会の初日にも使ひますね。
Q:A.W.HAFSCHER
投稿者:T.Hilton 投稿日時:2011/02/02 19:36 ---15.96.193
私の今使っているヴァイオリンについて鑑定、情報いただけるとうれしいです。
10年ほど前、知人から譲ってもらったものです。
綴りから見ると、ドイツの楽器だと思うのですが、
ラベルには
JOSEPHUS.GRIENBERAER と 上の方に小さく書いてあって
その下に大きく A.W.HAFSCHER 1971 と書いてあります。
手書きなのでもしかしたら読み間違いがあるかもしれません。
色はブラウン、裏板は美しい虎杢の一枚板で、音もまずまず気に入っているのですが、出来れば買い替えたいと思っています。
よろしくお願いします。