弦楽器 Q&A
弦楽器に関するいろいろな疑問にお答えします。
2023年12月31日をもちまして、新規投稿・コメントの書き込みを終了させていただきました。
5203件のQ&Aがあります。
Q:ビオラの弓でヴァイオリンを弾いたら不都合はありますか?
投稿者:名前を忘れたカナリヤ 投稿日時:2012/01/30 19:37 ---93.173.155
いつも楽しく勉強させて頂いてます。以前にバイーズアイについて質問した者ですが、検索しても出て来ません。確か、弦喜さんから親切なコメントを頂いた記憶がありますが、自分のハンドルネームを忘れてしまいました。
ヴァイオリン弓は大体74cm前後のようですが、
1。74.5cmのビオラ弓でヴァイオリンを弾いたら何か不都合はある のでしょうか?
2.逆にビオラをヴァイオリン弓で弾いたらどうでしょうか?
初心者で基本的なことがわかりませんので、どなたかご教示頂ければ幸いです。
投稿者:あいうえお 投稿日時:2012/01/30 20:57 ---47.154.58
2については、過去ログにありました。「ビオラに流用はできますか?」で検索してみて下さい。
投稿者:弦喜 投稿日時:2012/01/30 23:50 ---102.165.87
まったく弾けないということはありませんが、1.も2.も、まずは疲れると思います。
1.の場合、ヴァイオリンは、軽快な跳ばしや浮かした軽い音を出す時など、頻繁に弓を持ち上げる動作が必要となりますが、弓の重量の10gの差は指、手首にとっては結構な重りとなって効いてきます。
2.の場合、ビオラは腕(/肘)の重さを弓にのせて弾く事でヴィオラらしい音が出ますが、弓の重量が10g不足すると無理矢理押さえつける感じとなり素直に重さをのせることが難しくなります。
いずれも、楽に素直に演奏するのではなく、違和感を感じながら身体のどこかに負担を強いながら弾く事になると思います。
跳ばしやppや浮いた甘い音など弾かないという初心者の方や、ヴァイオリンのような音色でヴィオラを弾いている方には、上記は当てはまらず、単に軽いから弾きやすいとか、重いから弾きやすいという判断がなされるかもしれません。
投稿者:名前を忘れたカナリヤ 投稿日時:2012/01/31 00:27 ---93.173.155
「あいうえお」さん、「弦喜」さん、大変勉強になりました。ほぼ同じような長さでも、僅か数グラムの重量の違いでも、やはりそれなりの理由・根拠があるのですね。実に奥が深いです。
形状・重量・バランスなど、長い歴史の中で裏打ちされて、今日に至っている訳ですから簡単に考えちゃダメですね。
ヴァイオリンより少し大きいのがビオラで、女性奏者も弾いている位だから、弓は兼用できるのかなと思っていたので、恥ずかしい質問でした。ご教示頂き本当にありがとうございます。
投稿者:カディスの赤い星 投稿日時:2012/01/31 17:51 ---151.106.253
ここの過去ログで読んだように思いますが、第二次大戦前にあったというヴァイオリン・ヴィオラ兼用弓を持っています。68g位でフロッグの形はヴァイオリン型ですが、フロッグの高さがヴィオラとヴァイオリンの中間です。この弓でヴァイオリンを弾くと力強い音色が得られますが、弦喜さんの云われるように、速いパッセージやスピッカートには不向きです。また小型のヴィオラで使うと違和感はありませんが、42cmのヴィオラにはC線で力負けの感じです。さらに全長は通常のヴァイオリン弓のどれよりもちょっと短く、いわゆるレディース仕様というものでしょうか。しっとりとしたヴァイオリン曲には結構重宝していますが・・・中途半端と云われればその通りかも知れませんね。
Q:弦の状態について
投稿者:モナカ 投稿日時:2012/01/30 08:25 ---144.241.221
はじめまして。
ヴァイオリンの弦なんですが、半年以上使っているもので張っている状態でよく観察してみるとところどころ黒い部分が見られます。
サビかと思いましたが、爪先で弦をなぞってみると黒い部分は溝のようになっており、クラックみたいな感じなのです。
指を立てて弾く練習をしているので傷がついてしまったのでしょうか。
それとも劣化して張替えのサインなのでしょうか。
このまま使うと切れてしまうでしょうか。
弦はオブリガードです。
E線は最近張り替えていて綺麗な状態でした。
よろしくお願いします。
投稿者:猫丸 投稿日時:2012/01/30 13:20 ---106.119.140
巻き線が緩んできたのですね、それで、隙間が気になった。
ピラストロ社の弦は、他のメーカに比べて巻き線がゆるい傾向にあります。
剥がれて指に刺さりだしたら、交換するしかありませんが、違和感がなければそのままで問題ありません。
シンセテックコア弦の場合、切れることはまずありません、半年使用だと、演奏会などがある場合は、替え時ですが、音量、音質に不満がなければ、まだ使えます。
投稿者:モナカ 投稿日時:2012/01/31 00:32 ---106.107.50
なるほど。
ありがとうございました。
Q:ニスにケース跡が
投稿者:真理雄 投稿日時:2012/01/28 22:01 ---157.115.73
暑い夏が過ぎたあとにケースがニスにくっつき、醜い跡がつきました。修理に出したら綺麗になるでしょうか?
投稿者:パロパロ 投稿日時:2012/01/29 12:55 ---247.132.106
痕跡が全く分からなくなるくらいに直してもらえると思いますよ。修理人の腕次第…というのは、当然の前提ですが。
投稿者:真理雄 投稿日時:2012/01/30 07:28 ---157.115.73
ありがとうございます。ホッとしました。
Q:バイオリンの評価について
投稿者:おうじ 投稿日時:2012/01/26 17:55 ---24.2.4
バイオリンの買い替えを検討しています。
以下が候補なのですが、製作者の評価とだいたいの価格水準について、ご存知でしたら教えていただけませんでしょうか?
1 Charles Brugere (Paris) 1908
2 Nadia Mantovani (Cremona) 2007
3 Francois Caussin (Neufchateau) 1860
4 Auguste Darte (Mirecourt) 1860
5 Joseph Hel (Lille) 1878
よろしくお願いします。
投稿者:検索好き 投稿日時:2012/01/29 10:52 ---13.51.97
Nadia Mantovaniで検索すると、あるお店で210万円の値段がついていました。また、過去の「弦楽器Q&A」にも関連する記載があります。
なお、少々気になったのは、2はクレモナ新作、そのほかはフレンチの古いものですから、傾向が異なると思います。国や年代にこだわらない探し方もあるとは思いますが。
Q:J.B.Vuillaume 1870
投稿者:ヴィヨーム 投稿日時:2012/01/28 00:32 ---11.219.240
ヴィヨームの1870年のヴィオラを紹介されました。
でも、25万ユーロの聞き値です。いくら何でも高すぎると思いますし。
実際にいくらが相場なのでしょうか?ヴァイオリンの知人に聞いても10万ユーロから15万ユーロくらいまで作品があるらしいのでそれと同じか、ちょっと高いくらいが相場だと思うのですが。詳しい方の示唆を頂ければ幸いです。
投稿者:弦喜 投稿日時:2012/01/29 09:47 ---102.165.87
例えば、
http://www.maestronet.com/history/
から、少し古いですが、主に過去のオークション落札価格がわかります。(VnもVaも)
(Tarisioなども登録すれば、写真付きで記録が見られるようです。)
− ヴィオラは、出品数がヴァイオリンに比べると圧倒的に少ない。
− 落札価格で、ヴァイオリンの2倍以上
店頭価格(市販価格)は、オークション価格の2〜3倍となるので、そこから市場価格を推定してみてはどうでしょうか。25万ユーロが特に高いとは思えません。
ヒラリーハーンがずっとJ.B.Vuillaumeのデルジェスモデルを使って演奏を行ってきたこともあり、最近注目されヴァイオリンの価格も高騰してきているとの噂もあります。
またヴィオラはもともと数が少なく、サイズも様々なため、例えば41センチを超える大型で状態のよい著名製作者/工房のものは、代替えがないだけに、ある意味言い値とならざるを得ない部分はあると思います。サイズの小さいものや、状態のよくないものなどは、お買い得感のあるものも出るかもしれませんが、音質や楽器のご機嫌伺いなどの点で果たして満足できるか。
J.B.Vuillaumeは、製作者兼工房経営者ですので、その楽器も自身が作ったもの、一流製作者に依頼したもの、入門者含む一般用量産品などがあり、自身が作ったものも何モデルかより値段に大きく差がつきます。ヴァイオリンでもかなり価格に幅があるブランドです。
Q:分数バイオリン
投稿者:もも 投稿日時:2012/01/25 11:19 ---230.9.110
子供が現在、8分の1という楽器を使用しています。鈴木バイオリンで230番というものですが、このサイズのバイオリンは他のメーカーのものや今のものより高い鈴木バイオリンでも音はあまり変わらないのでしょうか?
投稿者:VnとFlのRio 投稿日時:2012/01/26 12:41 ---13.51.97
鈴木バイオリンのホームページを見ますと、8分の1のサイズのものは、単品で¥110,250のNo.520まであり、No.230とくらべると使用材や製作のしかたが異なります。従って多少の違いはあろうかと思いますが、格段の違いは無かろうと推測します。世の中には著名製作者の手による分数バイオリンもあり、それなりの値段にはなります。
今後、フルサイズになるまで何回か楽器を変更されると思います。大きいサイズになるほど、あるいは上達されるほど、良い楽器の意味が出てくると思います。一般的には、フルサイズになってから良い楽器を購入すればと思いますけれど、お子さんの現在のレベルや将来の目標も分かりませんので、うかつなことは言えません。先生にご相談なさったらいかがでしょうか。
投稿者:もも 投稿日時:2012/01/27 21:35 ---230.9.110
ありがとうございました。
先生は、分数楽器のことはよくわからないと言われ一般的には鈴木がスタンダードだと話されたので鈴木バイオリンを購入しました。
しかし1年経っても音がおもちゃっぽい音しか出ないので(先生に弾いてもらってもあまり変わらないです)もう少し値段を出せばよいのだろうかと思いました。
大人の楽器ではこのクラスのバイオリンと先生がお持ちのような楽器では私でもわかるくらい差があり、この差は分数楽器でもあるのかと思いこちらで相談させていただきました。
Q:1/16の分数ヴァイオリン
投稿者:マリ 投稿日時:2012/01/20 09:26 ---138.54.233
3歳の娘にヴァイオリンを習わせたいと考えています。1/16サイズの楽器の選ぶ際にどのような楽器を購入したら良いのかアドヴァイスを頂きたいと思います。
予算は10万円程度まで出せるのですが、弦楽器経験者の夫は1/16はヴァイオリンの形をした安価な「オモチャ」程度のもの(中国製等のセットで2万円以下の商品)で良いのではないかと言います。弓は別途買うそうです。
理由は、
1.3歳児の習い始めの頃は楽器を落とすことも多い。
2.1/16では10万円程度出しても音量や音色は期待できない。
3.上記の理由から1/16は安いものにして、ある程度、ヴァイオリンの経験を積んでからサイズアップの際に良い楽器を与えたい。
いくら1/16とはいえ、セットで2万円以下というのは使い物になるのでしょうか?幼児のヴァイオリンについてご存じの皆様でしたら1/16サイズの場合、どのようなヴァイオリンをお選びになるかご意見をお聞かせください。宜しくお願いいたします。
投稿者:猫丸 投稿日時:2012/01/20 10:06 ---106.119.140
子供のスキーウエアー、子供服、と同じ考えで良いのでは。
本人自体がすぐに成長して、サイズが合わなくなります。
興味をもたせる、慣れるようにする、と言うのが主体ですので、レンタルという選択肢もあります。
投稿者:ブラックボックス 投稿日時:2012/01/20 11:03 ---206.85.213
弓は別で、楽器のみの価格が、2万ということでしたら、ストラッドさんで扱っている、スズキの200 OR 230 のセットという選択肢もあります。
通販の中国製で、はずれを引いた場合、先生からダメ出しがある可能性もあります。
1/16がどのくらいの寿命なのかわからないので、先生にお尋ねになるのがよろしいかと思います。
投稿者:かたつぐみ 投稿日時:2012/01/21 21:09 ---109.229.111
中国製の廉価な楽器でレッスンを始めた4歳の娘は、半年くらいたった頃手をすべらせてフローリングの上に落とし
木っ端みじんに砕けさせました。
その後先生に中古の国産楽器を探していただき
ひやっとすることは何度かありましたが
壊れずに元気になってくれています。
像が踏んでも壊れない(古すぎ)
強度はひつようなくても
ちょっと落とした位では、
びくともしない国産のしっかりした楽器がいいかもしれません。
投稿者:taka 投稿日時:2012/01/23 09:50 ---233.99.252
夫が弦楽器経験者ということですね。
いま3歳ですが、これから最低必要になろうかという
ハード、ソフト両方の費用の概算をだされたと思います。
その中で検討ですね。
投稿者:マリ 投稿日時:2012/01/25 08:40 ---138.54.233
>猫丸様
子供服と同じようなものと考えるというのは面白い発想ですね。
確かに日々、身体が大きくなりますものね。
楽器に慣れるまでは落とす危険もあるので購入予定ですが、慣れてきてからの分数楽器はレンタルも検討したいと思います。
ありがとうございました。
>ブラックボックス様
確かにあまりに酷いものだとレッスンの際に断られそうですね。まだ先生さがしの段階のため、先生の意見を聞くことができずにおります。
スズ〇も候補の一つです。200や230は夫が試奏してみたのですが、1/16ですと大差ないと申しておりました。ネットに出ている200Eというものも気になっておりますが試奏できないため躊躇っております。
>かたつぐみ様
お子様も、楽器を落とされたとのこと。やはり最初は落とすこともありますよね。国産のしっかりした楽器というのはスズ〇のことでしょうか。スズ〇も安い分数楽器は中国製ではないのでしょうか。
それでもスズ〇は落としても壊れない作りでしょうか?もしそうだとしたら有力候補になりそうです。
>taka様
私は門外漢ですし、夫は経験者ではありますが小学生から始めたので幼児の楽器についてはよくわからないというのが本当のところのようです。ヴァイオリンを本当にやることになれば、先に相当の出費が待っているのは確実ですものね。
Q:駒に対する弦の食い込みのことで
投稿者:ネクタリン 投稿日時:2011/10/25 20:27 ---57.115.220
みなさま、こんばんは。
最近の新作バイオリンを見ていて思ったことなんですが、10年くらい前と比べると、駒に対する弦の食い込み具合が深くなっているように感じています。
以前だと、弦は駒の溝に対して4割程度か多くても半分程度までしか食い込んでいなかったと思うんですが、いろんなお店で最近の新作バイオリンを見ていると、大半のバイオリンで弦が駒の溝に半分以上埋まってますし、さらにもっと深く食い込んでいて弦の6割から7割くらい溝に埋まってしまっているバイオリンを見かけることさえあります。
初心者用のバイオリンということではなくて、きちんとハンドメイドで作られている200万円から300万円の新作バイオリンで、弦が駒の溝に深く食い込んでいるのを多々見かけます。
何十年も弾きこまれてきたバイオリンならそういうこともありますが、出来立ての新作なのに既に弦が深く食い込んでいるというのは、駒の溝の調整の考え方が変化してきたということなのでしょうか?最近は弦を深めに食い込ませるのが流行りなのでしょうか?
このあたりの事情について詳しい方がいらしたらご教示いただけると幸いです。どうかよろしくお願いいたします。
投稿者:小提琴 投稿日時:2011/10/25 23:00 ---2.57.119
二胡の弦溝に関する説明なのでヴァイオリンにそのまま当てはまるかどうかわかりませんが、詳しく図解されていてわかりやすいサイトがありますので参考にしていただけたらと思います。
http://sites.google.com/site/erhuanalyze/kouzou-bunseki/koma-no-mizo
この解説によると弦溝が深すぎるのは問題アリのようですね。
投稿者:ネクタリン 投稿日時:2011/10/26 07:39 ---57.115.136
小提琴様へ。興味深いサイトをご紹介いただきましてありがとうございます。
弦を弦溝に深めに食いこませるように溝を深めにするのが最近の流行なのかどうかということについての疑問はいまだ解消しておりませんので、引き続き情報提供をお願いしたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
投稿者:QB 投稿日時:2011/10/26 20:41 ---15.247.9
小提琴氏ご紹介のサイトでは、なぜ弦の横方向の動きを、縦に(楽器に対して鉛直に)最大限変換することを目指しているのかが理解できません。二胡固有の事情があるのでしょうか?
それはさて置き、私の知る範囲では、やはり弦の直径の半分以下の深さで、それ以上の深さに(敢えて)する例は見かけることが出来ません。
一つお聞かせ願いたいのは、
ネクタリン氏のご覧になった楽器の駒は、製作者のオリジナルでしょうか?それとも日本に入ってきてから日本の楽器屋なりが新たにしつらえたものでしょうか?
見かけたお店は、職人の工房でしょうか?それともいわゆる量販している楽器屋さんでしょうか?
製作者のオリジナルだとすると、やはり興味があります。さらに私もいろいろ聞いてみたいと思います。
投稿者:ネクタリン 投稿日時:2011/10/27 00:10 ---57.115.46
QB様へ。私が見た新作ヴァイオリンで、弦が駒の弦溝に深く食い込んでいる傾向があったのは、主にクレモナ産の新作ヴァイオリンです。駒に製作者の名前が焼印されているヴァイオリンもあれば、特にスタンプのないヴァイオリンもありました。駒の仕上がりに、統一感は感じられませんでしたので、製作者のオリジナルの駒だろうと思います。
お店は、個人の弦楽器工房ではなくて、多数のヴァイオリンを展示販売しているいくつかの弦楽器屋です。
弦の直径の半分どころか7割ほどが弦溝に食い込んでいる新作ヴァイオリンを何台か見ました。特にA線に関しては、直径の8割ほどが食い込んでいるという例も見かけました。
弦はドミナント、エヴァ・ピラッツィ、オブリガート、といった普通の太さの弦でした。さすがにG線は一番食い込んでいる楽器でも直径の6割ぐらいでしたが、直径の半分以上が食い込んでいるヴァイオリンが何台か見受けられたという点では、やはり驚きでした。
最近は固く引き締まった良い駒材を入手するのが困難だと聞いておりますので、私が見た新作ヴァイオリンの駒は、柔らかい駒で弦が食い込みやすいのかと推測したりしてますが、果たしてどうなのでしょうか?
駒が柔らかくて弦が食い込みやすいのであれば、なおさら、弦溝は最初の段階では浅めに設定するべきではないかと思います。
引き続き情報提供をお願いしたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
投稿者:小提琴 投稿日時:2011/10/27 13:54 ---2.57.119
量販店で売られているクレモナ新作とかドイツやフランスなどの新作の中にはナットや駒の溝が深めに掘られていることが多い。
これにはカラクリがあって、弦を張った直後は弦のほぼ半分が埋まった状態になっているのが、時間の経過とともに弦が潰れて弦の半分以上が埋まったような状態に見えるというワケ。
時間が経過しても弦の埋まり具合が半分以下になるようにするには、弦の潰れ具合を勘案して、ナットや駒の溝を弦の太さの1/3位に設定しなければならない。ところが1/3では音量が痩せてしまうことがあるので、実際には弦の太さの2/5位に設定するとバランスが良いのだけど、弦の太さの2/5の溝を掘ろうととして、結果的に弦の太さの1/2の溝が出来上がってしまっている例が多いし、駒の溝をなめらかにするために最終の微調整をしているときに、さらに少しだけ溝が深くなってしまっている例が多い。
外国から入ってきた新作ヴァイオリンのナットや駒の溝は、そのままで大丈夫な例は稀で、日本の工房で何らかの調整をしなければならない場合が多いので、調整の際に溝が深くなってしまう。
西洋人は手が大きくて手先が不器用なのかも知れないが、弦溝の調整は、日本人の職人に比べると、かなりアバウティーでいい加減な場合が多いように思われる。ヴァイオリン本体は美しく仕上がっているのに、弦溝とかペグの調整がイマイチというのは、良くある話。
ネクタリン氏が見たヴァイオリンは、そういうヴァイオリンなのだと思われる。
QB氏は「私の知る範囲では、やはり弦の直径の半分以下の深さで、それ以上の深さに(敢えて)する例は見かけることが出来ません。」と発言されているが、最近の新作ヴァイオリンの駒を色々な角度からじっくりとウォッチすると、A線D線G線の駒のところでの弦溝が弦の直径の1/2以下であることは滅多になくて、大半が2/3位埋まっていることにお気づきになられている思われるので量販店のヴァイオリンを注意深くウォッチされることをお薦めしたい。
投稿者:小提琴 投稿日時:2011/10/29 12:02 ---2.57.119
弦溝は深過ぎないに越したことはない。弦溝が深過ぎると弦が溝にひっかかって調弦がスムースでなくなる。そういう場合は、弦溝に少しだけchamferをつけてやると弦がなめらかに動くようになる。もちろん弦溝が深くなくて適正な深さの場合も、弦溝に少しだけchamferをつけてやるのはとても有効。
弦溝に適切なchamferをつけてある例は最近は滅多に見かけないので、今の若い職人は弦溝のchamferという概念を知らないのかも。Hill商会の焼印のある古い駒がついたヴァイオリンを見たことがあるが、弦溝がしっかりとchamferされていてさすがと思った。
皆さんが行きつけの工房の職人に、弦溝にchamferをつけて下さいとお願いしてみれば、その職人の見識や技量がわかるので、一度尋ねてみられることをお薦めしたい。
投稿者:ネクタリン 投稿日時:2011/10/29 14:14 ---57.115.210
小提琴様へ。詳細なご回答ありがとうございます。お陰様で最近のクレモナ産の新作ヴァイオリンの弦が溝に深く食い込んでいる理由がだいぶわかってきました。
恥ずかしながら私は、弦溝にchamferをつける、という手法は知らなかったので、今度ショップに行ったときに店員さんに質問してみようと思います。色々と勉強になりました。どうもありがとうございました。
投稿者:小提琴 投稿日時:2011/11/01 20:43 ---2.57.119
前回書き忘れたので書いておくと、ヴァイオリンのA線にスチール弦を張っている人は、A線の弦溝に適度なchamferをつけてやると、A線の音の伸びやかさが増すので効果的。スチールのA線は弦溝に深く食い込みがちなので、chamferの効果を感じやすい。もちろんD線やG線の弦溝にもchamferをつけてやるのが効果的であることは言うまでもない。
投稿者:ネコ 投稿日時:2011/11/01 22:08 ---148.13.229
chamferって、何ですか?
投稿者:小提琴 投稿日時:2011/11/02 03:20 ---2.57.119
chamferは英語なので、ネット上の和英辞典で検索すれば、日本語訳が見つかる。この掲示板に書き込みする人は、ネットを使える環境があるんだから言葉の意味ぐらいはご自分で調べられたい。
投稿者:通りすがり 投稿日時:2011/11/02 08:18 ---49.120.10
小提琴さまは実際にネットでchamferを調べられたのでしょうか?
やってごらんになるとわかると思いますが、かえって混乱します。意地悪を言わずにズバリお答えください。
投稿者:QB 投稿日時:2011/11/02 09:27 ---05.227.127
駒のディスカッションでchamferは理解できるのですが、
弦の溝についてのchamferと、それによる効果で「弦溝に深く食いこみがちなので効果を感じやすい」というのが分かりません。
小提琴様、教えて頂けますか?
例えば具体的に「この駒の、この弦溝のこの部分のbevelをchamferといふ」と例示いただけると、ありがたいです。
www.violinbridges.co.uk/search2.php?instrument=all&stampText=w+e+hill&country=anywhere&search=search
投稿者:小提琴 投稿日時:2011/11/03 00:30 ---2.57.119
イマドキの若い方は、弦溝のchamferを知らないようなので解説する。
弦の側面が弦溝に引っかからないようにするために、また、音の抜けが良くなるようにするために、弦溝の側面の角をchamfer(面取り)するということ。
弦溝の深さが弦の直径のちょうど半分であるとする。このとき、弦溝を弦の断面にピッタリ合わせるように調整すると、弦の直径=弦溝の幅となる。弦溝の両サイドの角のところを、ほんの少しだけ面取りしてやると、チューニングがスムースになるだけでなく、音の抜けも良くなる。
弦の直径の2/3が埋まってしまっているような場合でも、弦溝の両サイドの角をちょっとだけchamferしてやると、チューニングのやりやすさや音が改善するのがわかると思う。
どの程度chamferするかについては、職人の腕とセンス次第とも言えるし、依頼者の考え方次第(希望の仕方次第)とも言える。
50年前とか100年前の弦が切れやすかった時代は、ごく当たり前に行なわれていた弦溝のchamferも、最近のヴァイオリン弦は丈夫で滅多に切れないせいか、忘れられつつあるようだ。でも、音の抜けを改善するという意味では、弦溝のchamferは今でも十分意義があると言えよう。
投稿者:QB 投稿日時:2011/11/03 08:03 ---15.247.9
もったいぶった割に別に特別なことではなく、少々がっかりしたと言えよう。
素直になんで面取りと言わないのか、洋樂のための樂器だから、舶来の用語を使いたいのかな?
投稿者:小提琴 投稿日時:2011/11/03 12:50 ---2.57.119
QB氏は、別に特別なことではなく云々とおっしゃっているが、現在、弦楽器店に陳列されているヴァイオリンのうち、弦溝に適正なchamferがつけてあるのは、100台に1台も無いであろう。果たして、QB氏のヴァイオリンの弦溝には、適正なchamferがつけられているのであろうか?弦溝の深さも適正なのであろうか?
QB氏には、現在開催中の弦楽器フェア、あるいは、この時期多数開催されている楽器店主催の弦楽器展示会に行って、じっくりと弦溝をウォッチすることをお薦めしたい。
弦溝のchamferは、最初に見たときは特に目につかない程度にさり気なく、でも、見る人が見ればはっきりわかる程度にきちんと、つけてやる必要がある。
投稿者:FA 投稿日時:2011/11/03 18:48 ---225.111.38
>100台に1台もないであろう。
大きく出ましたが、そこまで普及していない程の技法ならば、「イマドキの若い方」のみならず大多数が知らないのも無理ないのでは?
しかもそこまで知られていない事だと認識していながら解説を渋るとか、訳がわかりません。
投稿者:ネクタリン 投稿日時:2011/11/03 23:37 ---57.115.114
弦溝にchamferをつける、という手法について行きつけのショップにある工房の職人さんに尋ねたところ、弦溝の調整の仕上げの段階で目の細かい紙ヤスリで弦溝を何回かなめてやって弦溝の角が落として丸みを帯びるようにすることを指している、とのことでした。
メリットは、調弦のときに弦がギシギシ鳴ったりするのを防止できるとのことです。
弦溝にどの程度chamferをつけるかは、工房によってかなり違いがあるようですし、手間を惜しんでいるのか単に技量や経験が拙いのか、そういう作業を省いている工房も結構あるようです。
お陰様で色々と勉強になりました。ありがとうございました。
投稿者:QB 投稿日時:2011/11/04 12:57 ---05.227.127
ネクタリン様
よかったですね。
弦の溝については、その職人さんが言ったように「角をなめる」とか「角を落とす」とか「角を丸める」という言い方が通じやすいと思いますよ。
Chamferは基本的に「面取り」(多くの人が連想するのは45度)のことですので、用語の使い方としては、駒の側面や、スクロールの部分の作業ですね。
面白かったので、知り合いの何人かのレストアラーと製作者(南カリフォルニアとニュージャージー)に聞いて見ましたが、「言わんとしていることは、、わかるよ」でした。
投稿者:q 投稿日時:2012/01/23 22:18 ---159.69.39
食い込んじゃったら交換でおしまい。
駒前後に傾けてゴシゴシして面取りおしまい。
ヤスリは繊維壊しちゃって駒おしまい。
Q:弓の毛替えについて。
投稿者:Nin−Nin 投稿日時:2012/01/18 01:42 ---159.56.36
バイオリン弓の毛替えのことで質問させてください。
弓の毛の良し悪しで音は変わるものですか?
また、毛替えの技術によっても音は変わりますか?
先日弓の毛替えをしたところ、何だか音が変わってしまって・・
本番の1週間位前にかえて下さい、と先生に言われていたのですが、いつも行く工房に行く時間がどうしても取れず、近場の某大手チェーンの楽器店で替えてしまいました。
そうしたら音が全然違う! 今は発表会前で1曲を弾きこんでいるので私の耳の錯覚ではないと思います(笑)
具体的には、まず音量が出ない。鳴らないというか響かないというか。薄っぺらく厚みのない感じです。貧相な音というか、重音なんて悲しくなります。
また、弾いていて雑音?も多いような。。見ていても弾きにくそうですが、子ども(6年生です)も大きい音が出ないし弾きにくいと言っています。
料金的には1000円しか違わなかったので、そんなに毛の質が違うとも思えないのですが・・
となると、あとは張り方?ということになります。
もう今週末が本番なのですが、せっかく長い時間練習してきたのに何だかこんな状態で出すことになって子どもにに申し訳ないというか、残念で仕方ありません。
投稿者:セイジ 投稿日時:2012/01/18 02:23 ---151.3.233
毛替えは弓にとっては一大事で、下手な職人にやらせると悲惨な結果になります。毛質も音に影響しますが、それよりも技術の差の影響が≪非常に≫大きいです。
どこでも毛替えはできますし値段も大差ありませんが、満足できる毛替えをしてくれる腕のいい職人を探すのは一苦労です。
弓の状態が激変したとの文面から察すると(松脂が十分に毛に付いているとして考えると)、毛替えする前よりも毛量が少なくなっていると思われます。毛量が減るとよく言えばスリムでシャープ、悪く言えば雑音が出やすい貧相な音になります。
1週間前に毛替えをしなければならないというものでもないですし、今のままでは改善は望めませんので、行きつけの工房に弓を送るなりして再度毛替えをなさるのがよろしいでしょう。
投稿者:Nin-Nin 投稿日時:2012/01/18 09:45 ---159.56.36
ご回答ありがとうございます。
本当に、毛替えでこんなに変わってしまうなんて全く思ってもいませんでした。 まさか弓を取り違えた?と思ったくらいです。
そんなに高い弓でもないし(15万程度)正直どこでやってもそんなに変わらないだろうと思っていまして・・いつもの工房は少し遠方にあり往復すると半日以上かかるし、弓も一日預けになるので(即日ではやってもらえません)つい近くでやってしまいました。
>雑音が出やすい貧相な音
まさにこういう表現がぴったりな気がします。ということは張り方の技術+毛の量 が原因ということなのでしょうね。
張った時の毛の弾力もないように感じます。指の上でポンポンとやっても全然弾まない。緩めにしても強めにしてもそうです。
やはり張り替えるしか改善策はなさそうですが・・明日の木曜に預けに行って金曜に引き取る、で日曜が本番、というのはどうなのでしょうか?
あまりに直前過ぎるのでどうしたものか。。
投稿者:猫丸 投稿日時:2012/01/18 17:16 ---106.119.140
>張り方の技術+毛の量
ではないでしょう。
松ヤニがうまく付いていない。
逆に付けすぎて、粉をまぶしたような状態になっている。
上手な毛替えほど、少ない毛がリボン状にムラなく張られています、時間が無いようですので、先生に相談してみたらどうですか、
弓を借りるとか、あわてないで対策はあると思いますよ。
投稿者:セイジ 投稿日時:2012/01/18 20:55 ---151.3.233
実物を見ないで断定的なコメントをすると質問者が混乱するので、なるべくなら遠慮したいのですが、毛量の多寡と技術のうまい、下手は関係ありません。
毛量が少ない方がスティックの木の味がストレートに出るので、少な目に張るのをよしとする哲学をもった職人は存在します。しかし、毛が少ないと反応が過剰にシャープになる傾向があるので、弾き手によっては多めに張るのを希望する人もいます。
毛量はゲージで測って標準的な量で張る場合が多いのですが、客の好みに合わせて分量を調節する職人もいるので、一概に少なく張るのがいい職人とは限りません。
松脂の乗りが悪いのが原因と思われるなら、松脂を付着させた後に、洗いざらしのワイシャツの切れ端のようなすべすべしたタッチの棉布で毛を挟んで、松脂を毛に刷り込むつもりで布を何度か往復させてみてください。これで必要な量の松脂が毛に行き渡ります。
それでも状態が変わらないなら毛替えをするしかありません。事情を話していつものタッチが再現できるようにお願いし、さらに十分に松脂をなじませた状態で弓を渡してもらうように依頼なされば、大丈夫ではないでしょうか。
投稿者:Nin-Nin 投稿日時:2012/01/20 15:16 ---159.56.36
松脂しっかりつけたりやってみましたが、やはり根本的に違うなと思い、結局いつもの所へ出向きました。
さっと見てすぐに「ん?」みたいな反応をされたので、事の経緯を話しました。
結論から言うとかなりずさんな仕事だったようです。
まず毛が長すぎる・・こんな長く張ってあるのは久しぶりに見ました と言われました(汗)
その他、くさびが曲がっている、接着剤でとめてしまっている、極めつけは先端のチップにひびが入っていました。(私も見て、こんな線あったっけ?と思っていました)
そして一日預かることの意味をとくとくと説明され・・(汗)
先ほど引き取ってきましたが、すっかり元の音と弾き心地を取り戻しました。これで日曜日に間に合います。
今回は大変勉強になりました。
お答えいただいた皆様、どうもありがとうございました。
Q:チェロの指板削りについて
投稿者:チェロ弾きの翁 投稿日時:2012/01/31 08:24 ---124.216.118
チェロの指板が変形して弦が接触するようなので布やすり等で削りたいと思いますが。どなたか経験のあるかた注意点をお教え下さい。
投稿者:CABIN 投稿日時:2012/02/03 19:09 ---219.99.19
経験が無いのにコメントするのは大変恐縮なのですが。
指板は直線に削ってあるわけではなく、全体的になだらかな凹カーブに仕上げられているはずです。
私のチェロの指板はA線の真ん中へん(D#あたりで)約3mm程度凹になっております。
これをご存知であれば、すみません、以下は無しです。
失礼ながら、もしご存知でなければ
(案1:推奨案)弦の接触が本当に指板のゆがみであれば、指板削りは職人さんにお任せした方がよいと思います。
このページの上のほうの「調整・修理」→修理料金(本体)にも 指板削り(全面)とあります
(案2)それでも自分で行なう場合は、「職人さんと同じように全体的になだらかな凹カーブに仕上げる」ように注意する。
なのでしょうけれど、全体的になだらかな凹カーブに仕上げるテクニック・ノウハウは残念ながら知りません、すみません。
(案3)そこまでシビアに考えず、少し磨いたら改善された....ということもあるかもしれませんね。
また、指板が塗装もしくは何らかの処理がなされているか、無垢のままかでも注意が必要かと思います。
※案2、3は自己責任ですので...
投稿者:ブラックボックス 投稿日時:2012/02/04 19:27 ---206.85.213
ジャンクチェロなら、それもアリかもしれませんが、基本的には工房に持ち込み、見てもらうのが一番よろしいのでは。
自己責任とかの範疇ではないと思います。