Introduction

弦楽器 Q&A

弦楽器に関するいろいろな疑問にお答えします。

2023年12月31日をもちまして、新規投稿・コメントの書き込みを終了させていただきました。

5203件のQ&Aがあります。

Q:調整
投稿者:にゃあ     投稿日時:2007/12/02 23:04  ---196.63.28

初めて質問します。
今年ヴァイオリンを始めたばかりでよくわからないのですが、楽器店などで行う調整というのはどのようなことをしてもらえばいいのでしょうか?
そろそろ一年近くたつので調整にださないといけないのかな?と思っているのですが、どのぐらいのペースで行くべきなのでしょうか?
教えていただけませんか?
宜しくお願いします。

投稿者:弦喜     投稿日時:2007/12/03 00:30  ---6.34.87

以下、私見です。
人間でいう定期健康診断、車でいう定期点検、みたいなものと思えばよいでしょう。
− 駒が傾いていないか。位置がずれていないか
− 魂柱の位置がずれていないか
− 弦が駒に食い込んでいないか
− ペグの回転はスムーズか
− ネックが弦で引っぱられていることにより、指板が下がってきていないか
− 表板、裏板、指板などのニカワでの接着が剥がれてきていないか
− 左手の指で弦をおさえる事により、指板が削れてへこんでいないか。
− テールガット(楽器の一番下のエンドピンとテールピースをつなぐ紐)がのびていないか
− ニスや木に補修しなければならないようなダメージがないか
など楽器の状態を確認した上で、位置がずれていれば各パーツを適正な位置にセットするとともに、必要があれば修理するところまで含んで”調整”とよぶことが多いと思います。
車と同じで、新品の楽器であれば購入後は少し多めに、また1年ほどたてば後は年に一回程度、見てもらえばよく、あまり大げさに考えずに、弓の毛替えの時にでも「楽器の状態をちょっとみてもらえますか」と職人さんに見てもらえばそれでよいと思います。購入したお店であれば、さっと確認した上で、加工・交換・修理・時間がかかる調整以外は、その場で無料で調整してくれることが多いです。
ただし、高齢で高価な楽器の場合は、可能であれば、季節の変わり目あたりに、楽器を預けることも含めて念入りにみてもらった方がよいでしょう。

投稿者:にゃあ     投稿日時:2007/12/03 12:16  ---196.63.28

お返事ありがとうございます。
とても具体的でわかりやすかったです。
近いうちに持って行こうと思うのですが、購入した楽器店が以前住んでいたところにあり、遠くていけそうにありません。
購入した楽器店でない別の楽器店でもきちんと調整してもらえるでしょうか?

投稿者:弦喜     投稿日時:2007/12/03 22:36  ---6.34.87

楽器の主治医は必要ですので、馴染みの弦楽器工房はみつけておいた方がよいと思います。

調整をそのお店で楽器購入を行った人に限定している楽器店は、ほとんどありません。主治医探しを兼ねて、弦楽器工房をたずねてみてはいかがでしょう。
できれば、職人さんがそこにいる工房や楽器店がよいと思います。いろいろな事も聞けますし、簡単に状態をチェックするくらいであればその場でやってくれます。
もし、購入後一度も、弓の毛を購入後交換していない、あるいは弦を替えていないという状況であれば、まずは交換を頼み、ついでに楽器の状態を見てもらう、というのが、導入としては気が楽かと思います。

投稿者:にゃあ     投稿日時:2007/12/04 17:58  ---196.63.28

いろいろと本当にありがとうございます。
そろそろ、弓の毛を張り替える時期かな、と思っていたので、近いうちに一度楽器店を訪れたいと思います。
丁寧にありがとうございました。

Q:Pedrazziniのヴィオラについて
投稿者:修     投稿日時:2007/12/04 11:44  ---137.48.242

はじめて書き込みします。自分はまったく弦楽器の専門家ではないのですが・・・。

Pedrazziniが製作した弦楽器の全リストといいますか、何年代に何の楽器をどのくらい製作したか、ということを調べています。ネットを見るだけではなかなか資料に行き当たらないのですが、どなたかいい調べ方をご存知の方、いらっしゃいましたらご教示ください。特にViolaに興味があります。

よろしくお願いいたします。

Q:弓毛の張り方で良い弓にできる?
投稿者:もくもく     投稿日時:2007/12/03 21:44  ---159.239.16

陳昌鉉さんの「海峡を渡るバイオリン」には、自分が毛替えをすれば
3倍高価な弓と同等にできるという話が出てきます。

私の経験では、それほど誇張しているわけではないと思います。
毛替えの直後に弓の音が良く、操作性が上がったように感じるのは
良くあることだと思います。それだけでなく、

・毛の材質(選別を含めて)
伸縮性や太さが毛の材質や部位によって異なるはずです
・毛の張り方
わずかに毛の片側を強く張ることで、弦に毛が当たったときに
変化に富むニュアンスを付ける、などのテクニックがあるようです。

によって、高いノウハウを持った人が毛替えを行えば、弓の音質・
性能を高めることができるのは事実ではないかと思います。

みなさんはこの件についてどのように思われるでしょうか?

投稿者:ぶぶ     投稿日時:2007/12/03 22:11  ---180.244.17


>自分が毛替えをすれば3倍高価な弓と同等にできる

 《3倍高価な弓》の具体的な数値はよしとして、初めて陳さんに毛替えをしてもらった時にとても弾きやすくなったことを覚えています。

逆に(スケジュール的な都合で)上手ではない工房で作業してもらった時には「あれれ??」となってしまったことを覚えています。

投稿者:かんがるう     投稿日時:2007/12/03 22:40  ---215.67.77

私のつたない経験から。。
私はチェロですが、メインの弓を計3カ所で毛替えをしていただいた事があります。

ある満足できる1カ所に比較して、他の2カ所は満足できる仕上がりとは感じられず、毛替えの良し悪しで操作性が明らかに変わるのを実感しました。
以来満足できる1カ所での毛替えをしています。

ちなみに不満足と感じた点は、、
1店では毛幅が明らかに足りず毛が長い(すぐに毛替えをし直さざるをえませんでした)。もう1店では毛が平面でなく(毛の長さがまちまちで均一でなく)、やはり毛が長い。(ここは一流の毛替えを謳っているいるところだったのでがっかりしたのを覚えています)。
いずれも弓本来の機能、バランスが損なわれた印象をもち、満足できる毛替えをして下さる工房と比較しますと、素人なのではと思えるほどでした。毛替えと言えど奥深いと感じた次第です。

満足できる毛替えの工房では、以後も常時至適と感じられる毛替えがなされています。安定した技術を持っていらっしゃるのだと感じ、ありがたく思っています。

投稿者:もくもく     投稿日時:2007/12/03 22:45  ---159.239.16

私の経験で具体的にお話すると、毛を少なめに張ると音が
シャープになり、多めに張ると音量自体は大きいかもしれ
ませんが、すこしフォーカスの甘い音になるように思います。

高価な弓を比較する時は、本当は弓毛を同じ人に替えてもら
った直後でないと意味がないような気がします。

投稿者:ぶぶ     投稿日時:2007/12/03 23:30  ---180.244.17


>毛を少なめに張ると音がシャープになり、
>多めに張ると音量自体は大きいかもしれませんが、
>すこしフォーカスの甘い音になるように思います。


 自分も同感です。^_^

投稿者:もくもく     投稿日時:2007/12/04 02:02  ---159.239.16

同じ弓で比較できないのであくまでイメージですが、
繊細な毛で慎重に平らに張った弓毛では、跳弓の音が綺麗
に決まるような気がします。
もしかしたら片側を少しだけ強く張る手法が使われている
のかもしれません。
そのような印象を持った方はおられませんか?
引き続き、毛替えと弓の性能の関係についてご意見をお願いします。
ぜひ多くの方の経験を教えていただきたいと思います。

Q:表板について質問
投稿者:やっと1周年     投稿日時:2007/12/03 23:42  ---95.9.143

こんにちは!
先日、バイオリンを習い始めてやっと一周年を迎えたのを期に、
フランツ・キルシュネックのNo12というバイオリンを購入しました。
音は柔らかめで渋く優しい感じがして気に入っているのですが、
表板が左右対称の2枚板(裏板みたいな)になってました。
裏板が2枚なのはよくありますが、表板が2枚なのは教室の方のを見たり、楽器屋さんで見たりした限りではありませんでした。
やっぱり1枚板のほうがいいのでしょうか。

よろしくお願いします。

投稿者:弦喜     投稿日時:2007/12/03 23:57  ---6.34.87

表板が1枚板の楽器は極めて稀です。私見ですが、表板は、ほぼ全数が2枚板であり、1枚板は1万本に1本もないと思います。
多くのヴァイオリンは、ブックマッチという、丸太をみかん割りにしたものをさらに真ん中から二つに割って、太い側を平に削り2枚を左右対称になるようにくっつけた状態、から削り始めますので、左右はほぼ左右対称になります。
一方、大量生産のものなどで、上記2つに割られたものを大量に作り、適当に組み合わせて使ったような場合は、左右で色や木目が異なります。

Q:木曽鈴木について
投稿者:AZUMA     投稿日時:2007/12/01 13:33  ---183.58.51

はじめまして。AZUMAといいます。
木曽鈴木のチェロで特21973年製というのを見かけたのですが、このチェロは当時いったいどの程度の価格だったのかわかったら教えていただけないでしょうか?

投稿者:ストラッド店員     投稿日時:2007/12/03 14:51  ---134.252.102

こんにちは、

木曽鈴木の価格表の資料を見たのですが、特が付く型番は見当たりませんでした。普通の鈴木ヴバイオリンにはよく特が付く番号が付いていたのですが・・お役に立てず申し訳ございません。

木曽鈴木ヴァイオリンは現在は(株)ESPという会社の一部になっています。こちらに直接たずねれば解るかも知れません。

URLはこちらになります。
http://www.espguitars.co.jp/

それでは!

Q:首のしこり
投稿者:のんのん     投稿日時:2007/12/02 20:51  ---176.41.116

初めてご質問させていただきます。
小学校三年生の娘は、幼稚園の頃からバイオリンを習っておりますが、最近左首の痛みを訴え、小さなしこりが出来ています。整形外科を受診し、現在はバイオリンを弾くとき以外はコルセット、入浴後には冷たいタオルで冷やしシップを貼るようにしていますが、楽器で注意する事はないのでしょうか?(現在はフランス製のオールド、肩あてはKUN、顎があたる部分はこすれて色が変色してきました)姿勢も注意するようにし、練習の前には体操をするなど気をつけるようにはしているのですが・・・顎にハンカチを当てると、クッションになるのでしょうか?アドバイスを、よろしくお願いいたします。

投稿者:rio     投稿日時:2007/12/02 22:04  ---95.2.121

整形外科を受診された際、楽器も持っていき弾いている時の姿勢を医師に確認してもらいましたでしょうか?

またご指導を受けている先生は、お嬢様の楽器選定にあたり、体に負担のかからないように弾ける楽器を選んでくれたのでしょうか?

適切な指導者がいる場合、弾く姿勢が悪く体の不調を訴えるというのは特に小学生という幼い年齢の場合、考えにくいことですが、すでにお嬢様はコルセットを日常使っておられるということで、ご苦労お察しいたします。

お嬢様の体格や姿勢、楽器の状態は、文字ではわかりませんので、ハンカチをあててクッションにするというアイデアについて、いいのか悪いのかの判断ができません。

WEBで相談するのではなく、症状が悪化しないうちに、整形外科の頚椎の専門医 ならびに ご指導を受けているバイオリンの先生 から適切な助言を受け、肩あて、顎あて を選択したり、弾き方を変えてみるなど、お嬢様が体に負担がかかりにくいようしてあげるべきと思います。


整形外科といっても、先生で多いのは
脊椎(腰)や四肢の骨折が専門の先生が多く、
頚椎(首)の疾患については、専門医が少ないのが
我が国の特徴です。

東京23区内には外来で診てもらえる頚椎の専門医がいる整形外科の病院は5つしかないと聞いてます。
神奈川県横浜市には2つの病院しかありません。

頚椎の専門医のいる病院に心当たりがなければ、Vn、Vaのプロ奏者の中には、首に疾患を抱えている方も多く、病院情報は豊富ですので、ご指導受けているバイオリンの先生に相談して病院を紹介してもらうのも一つの方法だと思います

東京の病院になりますが
東京医科歯科大の四宮教授、大川助教授は
頚椎の分野では非常に評判の高い方だそうです
ただし、原則医療機関の紹介状(これまでの治療経過の詳細およびCT、MRI映像)が必要と聞いたことがあります。 

投稿者:のんのん     投稿日時:2007/12/03 11:24  ---176.41.116

早速ご丁寧なアドバイスを、ありがとうございます。

指導していただいている先生は「成長痛かしら?」とおしゃっていましたがもう一度よくお話をしてみたいと思います。
実際娘は急激に背が伸びており、(やせているのですが)一年で10センチくらい身長が伸びました。ですから、バイオリンの知識がない私(母)も、「成長の過程でよくある事なのかしら?」と軽く考えていました。しかし、痛みや痺れからバイオリンが弾けなくなってしまった方もいるというお話も聞き、不安になり投稿いたしました。

現在は近所の個人整形外科クリニックにお世話になっていますが、大きな病院で見ていただこうかと思います。その際、(同じ整形外科医でも、脊髄、頚椎と専門分野が違うという事も教えていただきましたので)その辺りも調べて、受診する様にいたします。

楽器の肩あて、顎あてなども今の娘の体に合っているのか、(楽器を買ってから、1年半ほど経っています)姿勢に無理はないか、医療機関をご紹介していただけないかなど、先生にお聞きしてみようと思います。

どうもありがとうございました。

Q:ファインチューナー
投稿者:金魚     投稿日時:2007/11/30 23:09  ---17.30.132

こんにちは。
海外に在住しています。金魚と申します。
ヴァイオリンのファインチューナーについて教えてください。
子供がヴァイオリンを学校で習っています。
今までは成長に合わせてレンタルをしていましたが、
フルサイズを使えるようになり妹のヴァイオリン(日本製S社)を、この夏譲ってもらいました。
しばらく使っていなかったので、チューンナップに出し、
ファインチューナーをすべての弦に付けました。
昨日弦が切れたので、
再びチューンナップに出したお店に行くと、
”日本製S社のヴァイオリンはファインチューナーでチューニングするとネックが折れるのでこれは使わないよう”にと言われました。付けるときは何も言わなかったのに、、、
これは本当のことなのでしょうか。
教えていただけると、ありがたいのですが、、、
よろしくお願い致します。

投稿者:もーりん♂     投稿日時:2007/11/30 23:57  ---13.218.250

 ファインチューナーが何のことかは知らないのですが、アジャスターのことでしょうか? 付けても付けなくても、正しくチューニングすれば弦の張力は変わりませんから、ネックが折れるという可能性は考えにくいですね。その楽器店の方は、”日本製S社のヴァイオリンは〜ネックが折れる〜使わないよう”と発言されたそうですが、それは多くのメーカーのヴァイオリンと比較してデータを取った上での発言でしょうか?
 なお、弦楽器の世界は人にっていろいろ意見が違いますので、ほかの方のコメントをお待ちください。

投稿者:パロパロ     投稿日時:2007/12/01 01:18  ---59.87.114

「ファインチューナーでチューニングしたらネックが折れる」などということはあり得ません。折れるならペグで調整しても折れるでしょうし、そもそも弦を張れないということでしょう。

言い間違い、聞き間違いのいずれかではないでしょうか?

投稿者:金魚     投稿日時:2007/12/02 05:35  ---17.30.132

ファインチューナーについてのお答えありがとうございました。

私も子供もヴァイオリン初心者なので、
お店の方にそのように言われると”そうなのかな〜”と
思ってしまう事が多いので、
ここで教えて頂いて大変助かりました。
チューンニングできないのであれば、
取ってしまおうと考えていたところでした。

今日そのお店で、
ヘアー取替を頼んでいたボウが出来たので取りに行きます。
もう一度、何故なのか聞いてみようと思います。 

Q:ニスのテカテカを取るには?
投稿者:アンダンテ     投稿日時:2007/11/28 23:36  ---0.91.77

バイオリンのニスがテカテカしていて安っぽく見られるのが悩みです。ニスのテカテカ・ピカピカを取って落ち着いた雰囲気にするにはどうしたら良いでしょうか?
2004年製の新作バイオリン(クレモナ製)を2005年に買って2年くらい弾いてますが、今も買ったときと同様にニスがテカテカ・ピカピカしてます。クリーナーで磨いたりとかせずに、バイオリン専用のクロスで、から拭きしてます。このテカリが自然に取れるには10年とか20年とか長い年月が必要なのでしょうか?
音も見た目(形)も気に入ってるのですが、テカテカし過ぎなところがちょっと不満です。音を聞いてもらったり、弾いてもらったりすると納得してくれますが、見た目だけだと買った値段よりも安く見られるので、なんかすごく損な気分です。
なにか良いアイデアがあったら教えて欲しいのです。よろしくお願いします。

投稿者:山田     投稿日時:2007/11/29 00:14  ---16.123.210

毎日たくさん弾いてあげてください。
丁寧な扱いをしてあげて下さい。
それが楽器にとっても一番良いと思います。
人工的にニスに何かを施したとしても必ず無残な結果に
なります。オールド仕上げは所詮仕上げにすぎません。
テカテカなのがむしろ新作の特徴でしょう。
あなたがなぜそういう見た目の楽器を購入したのか。
それを思い出してください。
人の目より自分の目をしっかり持ってください。

投稿者:パスツール     投稿日時:2007/11/29 04:30  ---7.170.31

現役のオールドやモダンの名器は、たいがいニスがテカテカ、ピカピカしています。 カバーニスがかかっている場合もあるでしょうが、舞台のソリストの楽器は照明に輝いて見えるのが普通です。 見た目つや消しの楽器は、むしろ安物が多いと思います。 またカバーニスについても、賛否両論あるようですが、私は個人的には楽器表面の保護を優先したいし、透明なニスが塗られて輝いている楽器の方が好きです。

投稿者:北北西     投稿日時:2007/11/29 19:01  ---170.209.104

練習の後、絹のハンカチで磨くと、長期間ピカピカな状態が保てます。一方、使い古した木綿のハンカチで拭くと、松脂や汗などの汚れが綺麗に落ちる反面、ニス表面に微細なキズが入ります。どうしてもピカピカが気になるようであれば、一時的に、木綿のハンカチで楽器を拭く、という手法があります。ご参考になれば。
P.S.ピカピカの楽器を持っているとツヤ消しっぽい楽器が羨ましく見え、逆に、ツヤの無い楽器を持っているとテカテカした艶やかな楽器が欲しくなったりします。適度に艶やかで適度に落ち着いていて、ツヤあり派からもツヤ消し派からも好まれる楽器があれば良いのでしょうが、なかなかそういう楽器は見つからないです。

投稿者:K2のバヨリンおじさん     投稿日時:2007/11/29 20:08  ---115.154.9

アンダンテ様。
バイオリン歴、テクニック、「安っぽく見られる」楽器を購入された動機(いくらで?何故?)全く判りません。
とにかく何処かに惚れて購入されたのでしょう?
だったら女房と同じよう大切に付き合ってあげては?
私、48歳の会社員、バイオリン歴たったの31年、アマチュアながら、地元(仙台弁で「ずもど」)でライブハウス年間20回以上こなす者です、得意技はチャールダーシュ。楽器選びを甘く見ないで下さい。スーパーマーケットで餃子買う感覚ではないのですから(餃子をバカにしている訳では有りません、例えです)

投稿者:あまちゅあのClv     投稿日時:2007/11/29 20:50  ---235.58.185

アンダンテ様

ニスがテカテカしているチェロをこの春まで弾いていた者です。

この春,たまたま工房製のチェロ(ドイツ Leonhardt)に巡り逢って,買い換えました.
それ以降,音にはまず満足していますが,ニスの薄さには泣かされています.

前の量産チェロには傷を付けなかったので,私のチェロの扱いが粗雑とは言えないとおもいます.
が,今弾いている工房製のチェロには,どんどん,どんどん,生傷と言っても良いような白木に達する細かい傷が無数に付いていってます.
がっかりを通り越して,ゲンナリしています.

私は超素人なので,楽器の選び方はよく分かりませんが,現代の楽器ならニスが表面を保護する程度にきちんと塗られた楽器の方が,本体に達する傷も防げるのに..安心できるのに...と今は思ってます.

(便乗して,専門家のご意見もお聞きしたいのです.)

投稿者:アンダンテ     投稿日時:2007/11/29 21:51  ---0.91.77

たくさんの方々からご回答をいただきまして、まことにありがとうございます。
バイオリン暦は12年くらいで、以前はそれほど艶のない工房製の量産品のバイオリンを弾いていました。
オールド仕上げはなんかわざとらしくて好きじゃないので、新作らしい新作楽器を買いました。いろいろ比べた中で、音と形の両方が気に入ったので買いました。ニスのテカリがもう少し落ち着いてくれれば、いい感じの高級な雰囲気になるような気がするのですが、丁寧に扱っていることもあって、2年前に買ったときと同じようにテカテカしています。このペースだと10年経ってもテカテカのままなのかな・・・と思います。
周りの人がみんなオールドとかモダンのとても高価な楽器を持っているせいか、ピカピカの新作を持っていると、ちょっと下に見られているような感じがします。音のことは特に悪く言われたことはなくて、むしろ褒められることが多いので、その点は幸いですが・・・。楽器が新しい割には結構音が良いので、そのやっかみでイヤミを言われているのかも知れませんが・・・。
周りの人の楽器も艶がありますが、テカテカした感じではなくて、もう少し上品な感じの(控えめな感じの)艶です。楽器の年齢と値段があまりにも違うので、そもそも比較するのが間違いかも知れません・・・。
まだキズをつけたことがないので詳しくはわかりませんが、ニスは結構厚みがあるようで、ちょっとした引っかきキズがついたとしても、白木には達しないように思います。
普通に使っていても10年くらい経てば、艶が落ち着いてくるということなら今しばらく我慢しようと思いますが、これから10年も20年もずっと新品同様のテカテカが続くということだと、ちょっとストレスを感じそうです。元々テカテカの楽器でも今後10年ぐらい経てばニスの艶は徐々に落ち着いて行きますでしょうか?

投稿者:縋る男     投稿日時:2007/11/30 13:24  ---11.40.64

私も同じ程度の性能なら てらてらの楽器より 半艶の楽器のほうが好きです。最後の磨きをしないのはイタリアンに多いようです。厚みも薄めのほうが 元気の良い音になると思いますので好きです。

トリポリという非常に細かい粉末の研磨剤で磨いた後、ヴァイオリン用ポリッシュで磨くと
適度のひかり方になります。

非常に高価なVnにはお薦めしません。

投稿者:もくもく     投稿日時:2007/11/30 16:20  ---159.239.16

本物のストラディヴァリのオリジナルに近いものは
テカテカのようですね。

http://www.bbc.co.uk/history/programmes/peoplesmuseum/week1_07.shtml

投稿者:アンダンテ     投稿日時:2007/11/30 20:26  ---0.91.77

ストラドの中でも最も新品に近いと言われるメシア1716は、たしかにニスにテカりがありますね。このぐらいのテカテカであれば全然気になりませんが、自分の楽器は、もっともっとピカピカ&テカテカなのです。もう少し落ち着いてくれたらいいのにな〜、という思いが最近強くなってきたところです。
薬品類で磨いてニスがおかしくなると怖いので、木綿のハンカチで軽く拭いてみようかと思います。楽器や弓を拭くときに、木綿のハンカチを使っている人は結構いるようですので、ニスがおかしくなることはないだろうと思います。
このたびは、ニスの艶やテカりに関していろんなご意見があることがわかり、勉強になりました。

投稿者:セイジ     投稿日時:2007/11/30 20:36  ---151.3.246

布で拭いたり、磨いたりするからテカテカになるのです。
絹であろうが木綿であろうが同じこと。
演奏後は、一切、拭く行為を止めて放置しましょう。
松脂や手の脂などが付いて、自然にテカリが取れてきます。

楽器屋さんによると素人が布で楽器を磨くのはニスを痛めるので
やめて欲しいでそうです。

クリーニングはプロに任せて欲しいそうです。
新作のテカリが嫌なら徹底して拭かないことです。
その方が楽器のためにも、じつはいいのです。
安心して布で拭かないで放置しましょう。
1年後にはピカピカではなくなるはずです。

投稿者:アンダンテ     投稿日時:2007/11/30 22:21  ---0.91.77

セイジさんのご意見を読んで非常に驚いています。まさに初耳という感じです。
弦楽器店からもヴァイオリンの先生からも「演奏後は丁寧にカラ拭きするように!」と言われてきたので、その言葉に忠実に毎回練習後はカラ拭きしてきました。「松脂の粉、手垢、汗がついたままヴァイオリンケースにしまうと、松脂がべとついてきて益々汚れるので、そうならないようにするために、練習後は時間を置かずにすぐカラ拭きするように。」と言われてその通りにしてきたわけです。弦や指板を拭く布、ヴァイオリン本体を拭く布、弓を拭く布、と同じ布で全部拭いたりせず、布は3枚分けて使っています。
そんな生活を長年続けてきたので、

>楽器屋さんによると素人が布で楽器を磨くのはニスを痛めるのでやめて欲しいでそうです。クリーニングはプロに任せて欲しいそうです。新作のテカリが嫌なら徹底して拭かないことです。
その方が楽器のためにも、じつはいいのです。

というご意見を聞いて強いショックを受けています。汗や松脂の粉をつけたまま放置したりして、本当に大丈夫なのでしょう???

投稿者:セイジ     投稿日時:2007/11/30 23:08  ---151.3.246

汗や松脂ぐらい付いて当たり前ですから神経質になる必要はないみたいです。汚れが酷くなったらクリーニングはプロに任せるのが賢明のようです。念に1回ぐらい専門家に依頼してクリーニングをすれば十分でしょう。
素人が磨くとニスの表面をわずかながら削り取ってしまう場合があるそうですよ(艶だしクリーナーを使うのは厳禁)。



あなたが好きな、ほどよく落ち着いたニスの表面が欲しければ磨かない
ことです。テカテカの艶が嫌いといいながら、しょちゅう磨いて艶出ししているのは変だと思いませんか?

投稿者:ロッテ     投稿日時:2007/12/01 00:13  ---16.123.210

セイジさんのおっしゃる事は極論ではないでしょうか?
やはり日頃の最低限のカラ拭きは必要に思いますが。
さっと布をくぐらせるだけでも時間がたっていない松脂は
落ちます。そういう日頃のカラ拭きで取りきれない汚れを
職人の方にクリーニングしていただければ良いと思うのですが。
汗をそのままにしておくと水分はともかく、塩分が木に
染み込んでいきますよね?

テカリはニスの表面が比較的無傷な状態の事だと思います。
艶の無い楽器も溶剤を使用して表面のニスを溶かして磨きを
行えば艶が復活します。
安っぽいというのはニスの色がそう感じるのでしょうか?
ニスのテカリを落ち着かせる方法としてはニスを傷つける方法が
手っ取り早いですが...。例えば細かく確認しながら
ティッシュで拭くとか...。

投稿者:セイジ     投稿日時:2007/12/01 02:29  ---151.3.246

>汗をそのままにしておくと水分はともかく、塩分が木に
染み込んでいきますよね?

新作楽器のニスが剥げて白木が露出してない限り、塩分が木に染みることはありません。ニスの役割を考えてみれば誰でも判ることです。

それよりもニスの表面を傷つけろという意見の方がよほどの極論です。楽器のためには絶対やってはいけません。それこそ塩分を木に染み込ませやすくするために保護膜をはがしてゆくようなものです。

投稿者:クロアシ     投稿日時:2007/12/01 08:24  ---4.232.67

丁寧なから拭きは、ニスを痛めるので止めたほうがいいと思います。その日の練習で付いた松脂を軽く払うくらいはしていいと思います。
弦と指板に付いた松脂や手垢は丁寧に落として下さい。ネックやアゴ当ての手垢や汗も丁寧に落として下さい。そうでないと、演奏に支障を来します。

>音を聞いてもらったり、弾いてもらったりすると納得してくれますが、見た目だけだと買った値段よりも安く見られるので、なんかすごく損な気分です。

お気持よく分かりますが、防犯上、安く見られた方が安心できませんか。私は気が小さいのでその方がいいです。親しくない人には、実際に買った価格の1/5の値段で言い張っています。

投稿者:SHO     投稿日時:2007/12/01 11:54  ---224.60.253

>それよりもニスの表面を傷つけろという意見の方がよほどの極論です。

クリーニングオイルを使って磨くとニスを削ってしまいますが、演奏でついた松脂や汗は演奏後に拭き取る習慣がないと、蓄積して強固に付着してしまったり、ニスを侵食してしまいます。

クロアシさんが書かれているように
「その日の練習で付いた松脂を軽く払うくらいはしていい」
と私も思います。
このようにすると松脂の蓄積と油脂の侵食も進行を抑制できます。
松脂が強固に付着してしまうと、クリーニングオイルを使おうともそう簡単にはとれません。

松脂や汗がつかない部分の光沢感を落としたいということであれば、時間をかけて待つしかないでしょう。

アンダンテさんとは逆に「テカテカ」状態を維持したい人は布で強くこすりて磨いていたりしてしまうようです。クリーニングオイルを頻繁に使うことも同じです。そういう場合はセイジさんが仰る所の「ニスの表面を傷つけて」しまいます。

オールドっぽくみせるためだけに楽器にストレスをかけることは、決して良いことではありません。新作楽器なのであれば健康状態も良いはず。大事に育ててあげてください。

投稿者:アンダンテ     投稿日時:2007/12/01 20:51  ---0.91.77

自分が入っている弦楽合奏団には、お医者さんとか弁護士さんとかハイソな方々が多いせいか、オールドやモダンの有名な作者のヴァイオリンを持っていて、ピカピカの新作ヴァイオリンを持っているのが自分1人だけ、という状況もあって、ちょっと引け目を感じていました。周りの人に何も言われなければ、ニスのテカリもそれほど気にならなかったのですが、いろいろ言われているうちに、妙に気になってしまいました。
あと子供の頃レッスンのときに、ヴァイオリンを拭く布を忘れてそのまま拭かずに帰ろうとしたら、先生(男性)にこっぴどく怒られたことがあり、それ以来、ヴァイオリンの練習の後は、綺麗にカラ拭きするのが習慣になりました。
こんな事情があって、このたび相談させていただいた次第です。
みなさんからいろいろとご意見をいただけて、本当に嬉しく思います。どうもありがとうございます。
今後は、みなさんのアドバイスに沿って、練習の後は指板や弦は今までどおり丁寧に拭くようにして、ニスが塗られている部分は軽くカラ拭きする程度に留めようと思います。これまではニスが塗られている部分もバカ丁寧に拭いてましたので・・・。(子供の頃に怒られたトラウマってヤツですかね・・・。)

Q:弦選び
投稿者:初心者     投稿日時:2007/11/28 22:25  ---78.244.26

そろそろ弦を変えたいなと思っているのですが、私はキンキンなる音より、下手したらプープーピーピーなるような落ち着いた音が好みです。
そんな感じのオススメの弦はありますか?

投稿者:弦喜     投稿日時:2007/11/29 09:30  ---6.34.87

まずどの楽器の弦についての質問かわからないので答えようがありません。
プープーピーピーは一般には落ち着いた音ではありませんので、イメージしている音がわかりません。「ガンガンズンズンする弦はこれです」などの回答を期待されているのでしょうか。
また、今はどの弦を使っていて、それはどのように感じているのでしょう。
回答者の立場にも立って、回答できるだけの材料を含んだ質問を心掛けるようお願いいたします。

投稿者:初心者     投稿日時:2007/11/29 18:17  ---78.244.26

そうですね。
音の表現って難しいですね。

楽器はバイオリンです。
今は全部ドミナントです。
自分は、今の弦がキンキンしてる感じです。

落ちついた音はどんな表現なのかはわかりませんが、
私はプープーなる感じをさがしています。
どこの弦(会社)がオススメですか?

そして、一般に使われる落ち着いた弦ってのは、どこの弦(会社)なのでしょうか?口頭ではどのような表現なのでしょうか?

(弦喜さん、この説明でいいですか? わたしにはこれ以上説明できません。)

投稿者:クロアシ     投稿日時:2007/11/29 18:48  ---4.232.67

>プープー

というのは、難しいですね。「高音部が耳に障らず、中音部から低音部にかけて豊かに鳴る弦」という言い換えでいかがでしょうか。

投稿者:弦喜     投稿日時:2007/11/29 19:43  ---6.34.87

以下、経験に基づく私見です。
ドミナントは、ある意味現在のスタンダード(標準)弦とでもいう位置にある弦だと思いますが、擦ったときの雑音成分(シャーシャー、シャリシャリ言う音)が多い弦だと思います。(張ってすぐはかなりその成分が強く、それがとれてくるころには弦の寿命が来る気がします。)もしかしたら、その音が気になっているのかもしれません。
同じメーカーのものでしたら、インフェルドのREDなどを試されてはいかがでしょう。雑音成分がドミナントよりかなり減って、弓の圧力やスピードに対する反応もフラットであり、落ちついた印象の弦です。
基音がしっかり出て倍音が少なめな弦としては、ダダーリオのヘリコアをあげておきます。倍音が少ない分、音色変化が少なく平板と言われる方もいますが、しっかり弾き込めば芯のある太めの音が出る弦だと思います。ただし、楽器を選ぶようで、楽器と合わない場合は少し詰まり気味の音になることがあります。
最近、メインの楽器には原点に戻ってオリーブを使っているのですが、G線、D線は本当に豊かで色気がある音がでます。これまたA線が楽器を選ぶようで、A線はその楽器において相性のよい別の弦を合わせねばならないかもしれません。また、ガットで言えば昔の定番のオイドクサも張力が低めで柔らかくなります。
E線がキンキンするなら、私の知っている範囲ではドミナントのE線が一番おとなしいので、一度試されてはいかがでしょう。
ピラストロ系の合成弦は、合成弦としては高価なのであまり使っておらず、これらについてはコメントは差し控えます。

投稿者:弦喜     投稿日時:2007/11/29 22:46  ---6.34.87

>E線がキンキンするなら、私の知っている範囲ではドミナントのE線が一番おとなしいので、一度試されてはいかがでしょう。

先の書き込みでの上記書き込みは、現在ドミナントをお使いの初心者さんには、不要な情報でした。
でもE線に限って言えば、それよりもおとなしい弦を見つけるのは難しいと思います。現状、E線もキンキンした感じをお持ちですか?

投稿者:初心者     投稿日時:2007/11/30 01:23  ---78.244.26

貴重な意見ありがとうございます。とっても参考になります。

確かに言われていみればシャーシャーなるのがきになりますねー!
E線が特に感じます…

弦って意外と高いから、色々試せないのが難点です…

投稿者:クロアシ     投稿日時:2007/11/30 04:53  ---4.232.67

間違えていたらごめんなさい。
ひょっとしたら、初心者さんのE線は、DominantではなくてGoldbrokat(ゴールドブラカット)ではないでしょうか。
ドミナントのE線は、鳴らないという理由から、上記の弦に代えられていることが多いからです。先生が張ってくれた、あるいは楽器店の店員さんが張ってくれた場合は、ほぼ間違い無くE線はGoldbrokatだと思います。

一応確認してみてくださいませんか。

ゴールドブラカット0.27mm(真中の太さの弦です)は糸巻き側の色が黄緑、駒の手前の色が緑です。
ゴールドブラカット0.26mm(少し細めの弦です)は糸巻き側も駒の手前も黄色です。
ドミナントE線は、糸巻き側も駒の手前も紺色です。

投稿者:初心者     投稿日時:2007/11/30 19:13  ---78.244.26

いや、やっぱり紺色ですね…
こんなもんなんですかね〜www

投稿者:もくもく     投稿日時:2007/11/30 19:17  ---159.239.16

どなたかヴァイオリンをやっている方に、古い弦をもらったらよいのではないでしょうか?

投稿者:セイジ     投稿日時:2007/11/30 20:45  ---151.3.246

ドミナントのキラキラ感がお嫌なら、ピラストロ社のオイドクサ
がいいと思います。プープーピーピーなるような落ち着いた音が
出ます。

オイドクサはガット弦ですので、ピッチが不安定感になることが
あります。それを避けるなら同社のオブリガートでもプープーピーピー系の音が出ますよ。

投稿者:初心者     投稿日時:2007/12/01 00:19  ---78.244.26

わかりました☆
購入してみますね!

みなさん、わざわざありがとうございます!!

投稿者:ぐろっぎ     投稿日時:2007/12/01 17:48  ---221.99.171

もう初心者さまには回答がでてしまったようですが・・・
ピラストロ社のウ゛ィオリーノはいかがでしょう。
私の楽器と腕では柔らかい音がでるように思います。
ドミナントに張り替えて、ウ゛ィオリーノの音に慣れていた耳には、ドミナントが金属的な音に感じてびっくりしたことがあります。
ただ張り替え直後はやはりシャリシャリした感じがありますが。
初心者さまがほんとに初心者ならば(変な言い方ですみません)、弾きやすいという点でもおすすめです。

Q:弓の材質・経年変化・音色について
投稿者:クロアシ     投稿日時:2007/11/29 11:04  ---4.232.67

Celloさん投稿”Q:弓の材質”に続くスレッドです。このスレッドでは、「弓がヴァイオリンの音色に少なからず影響を与える」という認識が回答者の間で共有されている、という前提で話を進めて行きます。腕の話をし出すとキリがありません。
前のスレッドである程度意見が出尽くしているとは思いますが、もう少し意見交換を続けてみましょう。
論点を二つにまとめて見ました。

1)
弓がヴァイオリンの音色に少なからず影響を与えることは、多くの人が経験的に知っています。私は、長年楽器本体が出す音を弓が干渉して音色が変えているのだと思っていましたが、スガラボットさんは、弓スティックの性質が楽器そのものの音を変えている、と説明されています(かなりはしょっています。詳細はQ:弓の材質のレスをお読みください)。
ヴァイオリンは、良い楽器になるほど音響の変化に敏感で、しかもその変化を刻々覚え込んで行きます。もし弓が直接ヴァイオリンの音響特性に影響を与えているとしたら、弓の問題は楽器本体の問題をも巻き込んでいくことになるでしょう。
(続く)

投稿者:クロアシ     投稿日時:2007/11/29 11:04  ---4.232.67

(続き)
2)
私の理解では、フェルナンブーコの枯渇により1940年ごろから材質が悪くなり始め、現在の弓職人は、古い弓材のストックに頼りながら、限られた材料のなかで製作を強いられているようです。新作弓とオールド弓では音に格段の差があるように思われますが、それが材料の質によるものなのか、ある程度経年変化も影響しているのか、判断が難しいようです。
スガラボットさんのコメントにありましたが、「バイオリン本体の場合、経年変化により木材のセルロースが結晶化して生木から50年ほど経過するとヤング率が約30%向上すると言われています。 弓のスティックと音色に関するヤング率の考察はまだ読んだことがありません」。もし、同じことが弓スティックにあるとしたら、やはり経年変化は無視できないのかもしれません。
Sartoryは新作とは一線を画す良い音がしますが、作られた当時のSartoryはどうだったでしょうか。「わしは昔、作り立てのサルトリを弾いたことがある。70年ほど前の話じゃ」という方がいらっしゃったら、是非コメントをお寄せ下さい。

投稿者:もくもく     投稿日時:2007/11/29 13:01  ---159.239.16

他の販売店ですのでurlは掲載しませんが、ミネハラという店の
Webで弓の音響的分析を行った資料を掲載しています。
「弓の力学」というタイトルです。

投稿者:スガラボット     投稿日時:2007/11/29 15:22  ---255.65.238

前のスレッドで、皆さんの統一見解は「バイオリンの音色の差は演奏者(の腕)による違いが一番大きい」でしたね。 これは当然として、弓の差による音色の違いはバイオリン本体の差に比べてどうかという観点ではかなり個人差があったように思います。 クロアシさんはそれぞれが寄与する割合として、本体75%、弓25%(3:1)と言及されていました。 僕自身は最近、もう少し弓の比率が大きくて、2:1くらいまで上がるかなと思っています。 ただその音色差の質に対して、漠然とではありますが、楽器本体と弓ではそれぞれが寄与する効果が少し異なるような感じがします。

ところで、演奏者と楽器と調整は同一条件にして、弓だけによる音色の差を論じたときも、「比較にならない」「桁違い」から、「演奏者によって変わるほうが遙かに大きい」ので弓のことは考えすぎない、まで色々でした。 ここで「比較にならない」「桁違い」というという立場は、良い音色が出せる弓という自分の価値観が確立していて、それとの比較において程度を云々するときの表現だと思います。 僕の場合、まだこの弓に固有の価値観を判定出来る程には至ってないので、「相当に違う」という立場に留めておきたいと思います。

その理由の一つは、確かに「どの楽器にも共通して良さそうな弓」と、「共通して良くない」弓もあるようですが、この弓は「こっちの楽器には合うけど、あっちの楽器とは合わない」という相性問題もあるように思うからです。 それと、新作弓で、同じ作者で同じ時期、同じ価格の弓同士比べて見たときにも、驚くほど差があることがあります。 これは「同じ木から切り出したから同じかというとそうでもない」ことにも通じて、ただマクロな材質や構造だけでは解明出来ない、もっとミクロな何かが関連している可能性もあります。

ということで、この摩訶不思議な弓という代物について、これまで判っていることだけでももう少し明確に整理できれば良いですね。

投稿者:スガラボット     投稿日時:2007/11/29 17:50  ---255.65.238

<もくもく>さん、
大変参考になるWebのご紹介有り難うございました。 このWebでは弓の張りの強さなどに関する力学的解析が詳細に書かれていますね。 ただ、弓の音色に関する科学的な解析はなくて、13本のチェロ弓による音階演奏などの録音紹介と、「チェロ弓では、弓によっての音の差は、余りない・・・」という結論がなされています。 チェロとバイオリンの差はありそうですが、弓による音色の差で一番感じるのはその「空気感」というか、音の拡がり感なので、録音だけ聴いて判断するのは少し厳しいかなという気はします。

<アキヒサ>さん、
> Sartory(470万)と、ギョームほぼ新作弓と、 ア〇クス(コンチェルト)のドライカーボン弓を比較してますが、…
もくもくさんが紹介されたWebでは見当たりませんでしたが、どこかに公開されているのでしょうか?

投稿者:クロアシ     投稿日時:2007/11/30 09:38  ---4.232.67

>ここで「比較にならない」「桁違い」というという立場は、良い音色が出せる弓という自分の価値観が確立していて、それとの比較において程度を云々するときの表現だと思います。

私がどのように音色を格付けしているか、主観的な表現として記しておきます。何かの参考になりましたら。

単純な旋律を弾いた時、旋律の輪郭がどれほど明瞭になるかをひとつの評価基準にしています。その時、「輪郭が明瞭である」とは「線が強調されている」というよりも、「音の彫りが深くなり、陰影がくっきりする」という表現の方が適切だと思います。同時に、こうした弓はヴァイオリンを音量的にも良く鳴らす傾向にあります。さらに高い水準の弓は、こうした音色の差を超越して、ヴァイオリン全体を問答無用で響かせます。このような価値判断で弓を並べるとだいたい店頭小売価格順になります。音色の好みがあるので、多少は入れ替わります。
新作の場合、良い弓は操作性が良く楽器も元気に鳴らすのですが、どうしても音が平板で、旋律の輪郭が強調されていても陰影が乏しく感じます。これが弾いていてつまらなく感じさせる、耳を疲れさせる一因になります。
私は新作楽器なので、この傾向が露骨に出ているようです。オールド楽器で色々試したことがありますが、おおむねどんな弓でも、音色を大きく変えることなく良く鳴る傾向にあるように思いました。新作弓の場合でも、実際は平板に鳴っているのでしょうが、音が元気に鳴っているという印象を抱かせます。大手弓メーカーのHPでストラドなどに新作弓が用いられている例が紹介されていますが、あながち誇張ではないだろうと思います。
(続く)

投稿者:クロアシ     投稿日時:2007/11/30 09:39  ---4.232.67

(続き)
これは余談ですが、かつて、この掲示板で、弓の反り直しをすると弓の寿命を確実に縮める、反り直しできる回数は限られている、といった旨の記事を読んだことがあります。私も最近までそう思っていたのですが、この前自分が反り直しをしてもらった時にその話を職人さんにしたところ、「いやいや、何度でもできますよ」とのお答えでした。
まあ、無限に反り直しが出来るわけでもないのでしょうが、所詮弓は消費財、などと割り切ってしまう必要はないようです。オールド弓も厳選された材料で作られた新作弓も、定期的に手入れをしながら次の世代に繋いでいく積もりで使うのが良いのではないでしょうか。
手元が折れても継いで使えます。先端が折れてもくさびを打って継げますが、さすがに寿命だと思います。