弦楽器 Q&A
弦楽器に関するいろいろな疑問にお答えします。
2023年12月31日をもちまして、新規投稿・コメントの書き込みを終了させていただきました。
5203件のQ&Aがあります。
Q:D線
投稿者:弦一郎 投稿日時:2003/06/13 14:23 ---108.179.130
昔から気になっていた事を質問させて下さい。
殆ど全てのヴァイオリンは程度の差こそあれD線の音が弱いと思います。D線が弱い楽器が多いので、SilverのD線が有る位です。ヴァイオリンは構造上D線が弱いのでしょうか?チェロのヴォルフの様に音響工学的に問題が有るのでしょうか?教えて下さい。
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2003/06/13 15:51 ---107.96.106
いらっしゃいませ、
今までの経験則では特にD線が弱いという感じは私はいたしません。
確かにD線の弱い楽器もございますが、D線が素晴らしくなる楽器も何本も見たことがあります。構造的なことではなく調整の有無や個体差だと考えています。
それでは!
投稿者:弦一郎 投稿日時:2003/06/13 16:04 ---108.177.6
私の経験則上一定レベル以上のヴァイオリンは一般にGEADの順番に鳴りやすいと思いますが、思い込みでしょうか?
投稿者:z 投稿日時:2003/06/14 02:11 ---22.154.165
佐々木工房HPの技術レポート「駒の運動〜魂柱の役割」によりますと、低域弦を弾いた場合駒は魂柱を軸として横方向へ回転運動をし、高域弦を弾いた場合前後方向に回転するとあります。
これから推測して、G線に張力の強い弦を張った場合、D線を弾いたときG線の張力が駒の横回転運動を抑えてしまうのではないかと思いました。オリーブがよいとされるのは、G線の張力が低いからではないかと想像しています(張ったことはないのですが)。
以上、憶測でした。全然違うかもしれません。
投稿者:弦一郎 投稿日時:2003/06/14 23:41 ---98.226.218
ストラッド店員さん、zさん有難うございます。
G線の張力云々は、私には関係ありません。
ヴァイオリンがGEADの順に鳴りやすいのは普通か?それはなぜか?という疑問にお答えいただける方、いらっしゃいませんか?
当然、Dが一番鳴りやすい楽器も触ったことはありますが、調整が不足していたと思いました。
私が問題にしている楽器のレベルは、良く弾き込まれた、状態の良い、コンサートに耐えうる楽器です。
よろしくお願いします。
投稿者:ちぇろりすと 投稿日時:2003/06/15 01:04 ---234.14.199
チェロの話ですが,まあ原理は同じだと思うので書いてみます。かつてポール・トルトリエは,外側の弦AとCはテノールの音がするが,真ん中DとGは音色が暗い。なんとか全部テノールにならないものかと,まず弦の順番をDACG,つまり外側と内側を入れ換えて張ったそうです。するとDとGがテノールに,内側に入ったAとCは渋い音色になったそうです。結局,駒の中央部DとGの間に1cm位の切れ込みを入れて解決?妥協?したそうです。これはトルトリエ駒として有名ですが誰か他の人が使ってるという話は聞きません。こんなことなにかヒントになったら幸いです。余談ながらトルトリエは,楽器をできるかぎり水平にして明るい音を出すためにエンドピンを曲げたり(ロストロポービッチがぼくもぼくもとまねたんです),ハイポジションでも小指を使ったり,まったく楽しい人ですね。
投稿者:z 投稿日時:2003/06/15 07:24 ---22.154.165
こんにちは。
その後G線を締めたり緩めたりしてD線の音量を試してみましたが、有意な差は感じられなかったので、前の張力云々は取り消します。いい加減なことを書いてすみませんでした。
ヴァイオリンの場合ホルムヘルツ振動(空洞共鳴)の音域がCとDの間くらいにあるという文書を見つけました。これが正解でしょうか。
http://member.nifty.ne.jp/evergrn/arekore.htm
投稿者:弦一郎 投稿日時:2003/06/15 10:35 ---17.114.69
ちぇりすとさん、zさんありがとうございます。
ヴォルフではないと思います。ヴォルフの様な鳴りにくさではないからです。
ちぇりすとさんの言われる端の音の方が鳴るというのは、実験的に正しいと思います。(今朝実験してみました)内側の弦が鳴りにくいというのは、良く言われていますが、どうしてなんでしょう?
パッセイジの中でGやEの解放弦が出てくると、その音だけ飛び出るので気を付けるのは良く言われていることですが、DやAではさほど言われませんね。
ヴァイオリン弾きなら誰でもD線が鳴りにくいことは知っていると思いますが、(知っていると私は思っていた)その理由に対して明確な回答はありませんでした。
投稿者:アンジェパパ 投稿日時:2003/06/15 19:28 ---120.94.30
「ヴァイオリン弾きならだれでもD線が鳴りにくいことはしっている。」
これは本当なのでしょうか。
私もストラド店員さんの言われるように、(一定のレベルの楽器において)とりわけD線が弱いと感じたことはありません。
D線を問題にされるよりもむしろG線が響かない楽器が多いと思います。G線の音が薄っぺらい楽器が多いような気がします。(そうした楽器はD線も響いていないのかもしれません。上二つは鳴っているようですが)
私の感覚で言えば、G線がしっかり響いている楽器は、D線も響いています。(もちろんD線上にも他の弦との共鳴の関係で少し鳴りにくく感じる音はあると思いますが)
答えになっていませんが、はじめの「ほとんど全てのヴァイオリンは程度の差こそあれD線が弱い」という問題設定がどうも間違っているのではないでしょうか。
投稿者:弦一郎 投稿日時:2003/06/15 22:20 ---98.226.42
私はG線が鳴りにくい楽器を悪い楽器だと決め付けていたようです。Dが鳴ることもあるんですね。Dが鳴らないと言うのは暗黙の了解だと思っていましたが、私の好みに合わせて楽器屋さんが調整していたのかも知れませんね。一定レベル以上の楽器は、少なくともG線は良く鳴ると思っていました。有難うございました。
投稿者:Ive 投稿日時:2003/06/19 01:20 ---205.62.8
いやいや、間違っていないと思います。
『D線は鳴らしずらい・演奏概念を持つのには少々難しい弦である。』
この意見は、ちゃんとした耳を持っている弾き手なら、一度はそう感じることがあるだろう
有意義な命題だと思います。どんなに良い楽器でも、VnのDは問題な箇所ですね。理由は
次のです。
Vn自体、高音楽器として存在するのなら、市販されているG線が鳴りすぎる為
Dに対する物足りなさが生じる。
高音の弦(E or A)に追随なのか、G線に追随する為の弦なのかはっきりしない弦である。
個体差(楽器の出来の差)がはっきり出る(E or Gは特に顕著だが)。音が出ればいいと
いう弦ではないはず。
そこで質問をかぶせますが、Dはどのように鳴るべき弦なのでしょうか。。。
投稿者:アンジェパパ 投稿日時:2003/06/19 10:41 ---253.48.251
私の浅薄な経験値でレスして済みませんでした。
『D線は鳴らしずらい・演奏概念をもつのには少々難しい弦である。』というのは、弦一郎の言われることと符合していますね。ところで、この文の出典はどこなのでしょうか。その書籍を勉強してみたいと思います。
私が、前回にようなレスをしてしまったのは、自分の楽器のD線が魅力的に響いていることが原因しています。(D線で苦労したことはないのです。)
そしてG線もよく響いています。(「鳴っている」とは基本的に違います。)他の楽器を試奏した時に一番感じるのが、実は、D線の鳴りではなく、G線の響き方なのです。どうも、G線は鳴っているのだろうが、十分に響いていないと感じてしまうのです。かなりものたりなく感じます。(ちょっと鳴っているようだが、こんなんじゃないって)そうした他の楽器のG線に対する慢性的な不満があのようなレスになってしまいました。これについては、過去に書き込みをさせていただきました。
ですから、弦一郎さんの質問から微妙にずれていたのかもしれません。ところで、D線が鳴らないというのは一般的な意見なのでしょうか。私の感覚では、G線が響ききっていない楽器が多いといったところなのです。
投稿者:あーくん 投稿日時:2003/06/19 12:49 ---249.200.11
みなさまこんにちは。
楽器自体の技術的なことではないので参考にはならないと思いますが、
今まで思っていたこと、そしてやっていることをカキコさせてください。
大雑把に言えば、バイオリンは低弦は鳴りにくいものだと思っていましたし、今でも
そう思っています(総論としてですよ、あくまで)。
僕はそれを解消するために、基本的はG線を弾くときはかなり弓を水平というか、毛が
ボディに当たる間際くらいで弾いています。最初は意識してやりはじめたとは思えない
のですが、その方が腕の重みを素直に弦に伝えることができると感じておりまして、
いつのまにかそのようにして響かせはじめたように思い出されます。
その点、D線はそのような弾きかたは不可能です。だからなのか、僕も弦一郎さんの
おっしゃるように、少しD線には「物足りなさ」を感じることがあります。
調整によってD線も鳴らすようにすることはかなり困難なように勝手に思っています。
そうではなく、低弦に重きをおくか、高弦に重きをおくか、あるいは中庸にするか、
という調整になるのではないかと思っています。一長一短があるような・・・
答になっていませんが、興味のある内容でしたので、カキコさせていただきました。
ありがとうございました。
投稿者:うに 投稿日時:2003/06/19 23:52 ---221.211.157
私の経験では、D線が良く鳴る楽器は全体に良く鳴る楽器という気がします。
E線は大体のヴァイオリンでも良く鳴ります。
「ヴァイオリンの見方・選び方」でも「D線が全体の音量を規定する」と記述されてます。
やはりヴァイオリンは本来Dが弱いのだと思います。
私も弦の配置が関係しているのではないかと考えています。
EとGで駒の端と端を抑えられており、A、Dは振動を抑制されているのではないのでしょうか?
トゥルトリエ駒の真ん中に切れ込みがあるのは、振動抑制を緩和させる効果があるのではないでしょうか。
投稿者:アンジェパパ 投稿日時:2003/06/20 01:11 ---120.94.30
「D線が全体の音量を規定する」
このことは本当にそうなのでしょうか。私は「G線が全体の音量を規定する。」という意見です。
例えば、バッハの無伴奏を弾く時でも、数々のコンチェルトを弾く時でも、その楽器の音量の有無を実際に一番よく感じたり判断したりするのは、G線ではないでしょうか。楽器の音量や質を確認そる時は、sulGのパッセ―ジを利用すれば大方判断できると思います。sulDのパッセ―ジだけで判断する事は決してないと思います。(そうした音楽上のパッセ―ジが少ないからかもしれませんが)
バイオリンは総じてD線が鳴りにくいというのは、あーくんの言われてる「バイオリンは低弦が鳴りにくいものだ。」というのと意味が違うのでしょうか。
あーくんの言われている部分は至極納得できてしまいます。しかし、G線がしっかり鳴っていて(ほんとは響いていて)D線が鳴らないという状況が腑に落ちません。
投稿者:Ive 投稿日時:2003/06/20 02:24 ---205.62.248
私の意見です。
『<基準となる弦(AとD)>+<太く深いG>+<きらびやかなE>』
が、スタンダードな弦の認識で落ち着くのだろうと思います。Vnは高音楽器
ですが、Regularな弦(AとD)で音を出していることが多い楽器です。Sul-G
やあまりに高い・楽曲の最後に響くE弦は全体の数%ですから、やはり基準の弦
となると、AとD弦だと思います。E・Gはやはり特別な弦だと思いますが、
この意見に対して、Vnの弾き手はこれで納得してくれる人が意外と少ない。。。
楽器を色々と試す段階で、楽器屋さん以外の場所で音を選んだ経験がおありでしょうか。
楽器屋さんの大半は、その部屋で鳴らすことを前提とした『良く鳴る楽器』を提示
することが大抵です。わざわざ、ホールを貸しきって、ホールの隅々まで音が届く
ことを一部の例外を除いて証明しませんから、半ば”経験的”な選択をさせるのです。
(実際そういった実験をしないとわかりませんよ。楽器っていうものは。近くで
いい音を出す楽器ほど遠くに音を飛ばす能力がないっていう楽器多いです。)
そこで、その楽器を買う前に、わかる人は数日借りたりするものです。そしてさらには
録音をしてみるとわかるのです。
『弾いた感触での音と、録音での音の違い』
自分の声が意外と自分が思っているのとちがう声である現象と同じく、自分の出す
音は録音でもしない限りわかりません(ここで言う音とは音楽性やフレージングのこ
とではないです。)
で、結果的にはD弦は鳴っています。という結論です。D弦はどう鳴るべきかとなると
別議論が必要ですが、自分がそう聞こえないだけで楽器はちゃんと鳴っている楽器が多い
です。録音でわかる本当に音が出てないのは案外E弦だということが多いですね。
ただ、D弦は弾いている時の感触の話だと思います。弦がそこまでなのか、楽器の調整
なのか、とりあえず、D弦は基準となる弦なので、楽にいい音を出したいものです。
ps
D弦が鳴っているなら、E弦が鳴ると限りません。GとE弦は才能的な場所だと
私は思います。芯のあるきらびやかなE弦と、深く複雑なG弦ほど、録音していて
も・演奏会の時でも自分を高揚させる道具だと思います。
投稿者:弦一郎 投稿日時:2003/06/20 20:33 ---108.177.46
皆さんの御意見興味深く拝見いたしました。
コンサートに耐えうる楽器は、G線は良く鳴ると思います。良く鳴らないと話にならないと思います。E線は余程安物の楽器でない限り弦を選べば良く鳴ると思います。Aは甘い音が鳴る楽器が好きです。特にハイポジションで甘い音が鳴るとたまらなく愛おしくなります。Dはなんだかわかりにくいのです。キャラクターが薄いと言うか自己主張が少ないというか、適当な言葉が見つかりませんが、とにかく鳴りにくい様な気がするのです。私が使っている楽器は特にGが良く鳴ります。
Dへのわだかまりは、技術で解決するものなんでしょうか?調整で解決するものなのでしょうか?それとも諦めるものなのでしょうか?鳴りにくさは録音では解りません。観念的なものかもしれません。
投稿者:アンジェパパ 投稿日時:2003/06/20 23:27 ---120.94.30
このたびは色々と勉強させていただきありがとうございました。
D線の意味をほんとに考えることが出来ました。振り返ってみると、わたしにとってD線はほんとに魅力的な弦です。(実は一番好きな弦です。)ヴァイオリンの楽曲にはD線が活躍するものがほんとに多いと思います。(Iveさんの言われる通りだと思います。)
特に、ベートーベンのバイオリンコンチェルトの2楽章の45小節からのフレーズは、D線の表現の極致だと思います。このフレーズが豊かに深く弾けたらD線も合格点をあげられるのでしょう。D線というのは本当にキャラクターに富んだ弦だと思います。「D線が楽器全体の色を規定する。」と言ったところでしょうか。
少しばかり残った疑問は、今からいろんな楽器を試奏させていただく中で、自分なりに解決していきたいと思います。(D線はかなり注意してこれから弾いてみます。多分みなさんが言われたことは真理に近いような気がします。)
止揚は半ばで終わってしまうようですが、自分なりに新しい視点ができて有意義だったと思います。
どうもありがとうございました。
投稿者:高橋俊介 投稿日時:2003/06/21 22:24 ---102.25.54
僕の意見です。
僕はバイオリンでもチェロでもなく、ビオラを弾いています。
一番好きな弦は、バイオリンでD線部分にあたる、G線です。
皆さんの意見とほぼ同じですね。
僕もD線の鳴りにはじめはかなり不満があり、ドミナント弦から
オリーブ、オイドクサ、シノクサ、ヤーガー、トニカ、クリスタル、
ヘリコア・・・と、弦に原因があるものだと思い、ありとあらゆる弦を
試しました。
特にガット弦を試すときは、どうしても隣のG線と釣り合いが取れなくなるため、
身銭を切って泣く泣くオリーブを買ったりしました。
そこで気づいたのは、「ガット弦のなかで、飛びぬけて高価なのはG線である」
ということでした。
バイオリンも、なぜかG線だけが高価な値段がついていると思います。
私的な意見になってしまいますが、「弦楽器の要はD線にある」のではないでしょうか。
結局、僕はD、G線を、ここで紹介していただいた、オブリガートにしました。
sulDを要求してくる作曲家のなかで、やはり有名なのが、アンジェパパさんの
言うとおり、バッハでしょう。
中音域の楽器という関係上、僕はチェロの無伴奏も、バイオリンパルティータも両方
弾いています。そのどちらにも、sulDによる要求がありました。
僕はテクニックがアマチュアなだけに、パルティータ・シャコンヌの最後の部分にある、D線を開放弦にして、G、C線で主旋律を奏でるときに、どうしても音負けしてしまうことがありますが、プロの方は、もちろんすべて均一な音で弾いているのが分かります。
D線は音負けが激しいため、僕もあまり好きではないのですが、だからこそ
ダイナミックな音を出そうと試行錯誤しています。
投稿者:弦一郎 投稿日時:2003/06/21 23:54 ---108.185.250
私が気になっているのは、D線の Low Position です。例えば、ブラームスの雨の歌など今一つしっとり濡れた感じのG〜A、A〜G連続性がDだけ思い通りにならないなんてところです。High Position なら、ある程度以上の楽器なら問題なく音が出ます。この現象は殆ど全てのVnにある様な気がするのです。観念的になりすぎて申し訳ありません。
浜辺で波の音をお聞きになったことはあるでしょう。低い音から高い音へ連続的に変化していきますね。あんな感じでしょうか?少し水分が多すぎるような気がしますね。
ストラッドさんから、当初、「そんなことはない。Dでも良くなる楽器はある。」との主旨の回答を得ましたので、そんなものなのかなあ?気にし過ぎなのかなあ?と考えていたのです。
私がメインに使っている楽器は奏者を選ぶ楽器ですが、私が弾くと少なくともGとEはすごく良く鳴りますし、Aは甘い音がします。(とよく言われます。)2本目の楽器も同じ傾向ですが、全体に音が薄くなります。3本目の楽器は全体に音量が無くなります。
私が問題にしているつまらないことを解っていただけたでしょうか?
投稿者:Ive 投稿日時:2003/06/22 00:45 ---205.63.161
私の意見です。
間違っていたら訂正します。
D弦の音量が足りないのだと思います。確かに、どのVnも弦一郎さんがおっしゃって
いる
『この現象は殆ど全てのVnにある様な気がするのです。』
は、私は肯定的なことだと思います。その主たる原因は音量がないことに起因するのだろう
と思います。私も以前その現象(?!)に悩まされていたのですが、駒交換で解消しました。
実際、録音でもその効果は実証済みです。何かの加減で、音量が本来の量に至って
いないのだと思います。
話はずれますが、なぜVnがチェロのような音・響きを得れないかよく考えます。
その主たる理由は、音量です。弦の太さも、楽器が共鳴する容積も違う
のだから、当たり前すぎることですが、そのチェロから見たVnの共鳴する為の容積
は、近似すると0(ゼロ)に近いものがあります。逆に、その容積がないので、高い
E弦は声高に響く(弦の振動と共鳴がムダに発散することがないから)のです。
VnのD弦は盲点で、何かの理由で音量が出にくいことが多いのだと思います。
ただ、強い弦を張ってなにか意図的に音量をupさせているというニュアンスではないです。
で、よく弦を変えると音量が変わる気がしますが(古い弦を新しく張りなおした時を除く)、
弾いている感触での音量が顕著に変わっているのであって、実際録音してみると、
微妙にしか変わらないことが多いと思います。ですから、弦を選ぶ時に、ただただ
音量を増したいが為に、強い弦を選ぶのはかなり危険であると思います(余談)。
調整(駒交換等)で、実験してみてはいかがでしょうか。音量が、響きや音の密度に関連
しているので、どこかよいViolin工房で。っていうか、よい工房ってどこなのでしょうか(結構ナゾです)。
投稿者:たかはししゅんすけ 投稿日時:2003/06/22 01:19 ---102.25.54
生産年度の経過していない、ある程度の若い楽器ならさておき
100年以上経過しているオールド楽器は、弦の選び方から
駒の選び方、角度、プロの方なら月に1度は、信頼の置ける
職人に調整をしてもらうと、先生から聞きました。
話がずれちゃいましたが、確かに僕のヴィオラのD線も、すべての弦を
使って弾くシャコンヌのような曲では、物足りなさを感じることが
多くあります。ハイポジションに上がると、どんどん音が
弱くなってしまいます。
今使っている楽器は1997年製と、まだまだこれからの若い楽器ですが
無理に弦に頼って楽器の力を信じないと、楽器の寿命にも関わると
いうことみたいですね。
もっとも、良質な弦楽器であれば、弦の力はさておきある程度の音量が
望めますからね。
お二人ともすごく詳しくて、頭が下がっちゃいます。(汗)
投稿者:ちぇろりすと 投稿日時:2003/06/22 01:34 ---234.14.52
私は弦一郎さんのお気持ちが良く分かります。私もチェロのG線の低ポジションは,今まで弾いた,聴いたものはどれも少々弱いような気がします。弦の振動による駒の回転的運動を考えたときに,ちょっと極端に考えて駒の両足の間を作用点とするより,はるか外側を作用点とするほうがずっと動かしやすいですよね。また両端の固定された弦の振動は,張力方向に垂直な振動のほかに平行な振動,つまり駒を前後に振動させる要素があると既出のヘルムホルツが発見しているようです。この縦振動が演奏時実際にあるとすれば,外側の弦は駒の一端がフリーなのに対し,内側の弦は,右も左も他の弦で押さえられていて,これは駒の縦振動のしやすさに大きな影響があるでしょう。トルトリエの実験がほんとうか興味があったので私も駒の中央に切れ込みをいれたのですが,真ん中の2弦は確かに明るくなりました。でも全体的に重量感はなくなったようです。切れ込みにより振動しやすくなったわけですが,駒は一個の塊として振動する方が振動のエネルギー自体は大きいわけで,これも説明がつきます。
そういえばチェロの場合,特に楽器をよく鳴らすタイプの名演奏家たちは,フォルテの時は確かに真ん中の2弦の低ポジションを意識的に避けているように感じます。まねるわけではないんですが私もついつい逃げます。音色はさておき,聞こえやすいということだけを議論するなら,やはり真ん中の2本は不利なんじゃないでしょうか?
投稿者:弦一郎 投稿日時:2003/06/23 21:53 ---249.3.9
皆さんどうもありがとうございました。
Q:楽器について教えて下さい。
投稿者:マリオ アロイジオ 投稿日時:2003/06/22 13:04 ---222.76.64
いつも、大変お世話になっております。私のヴァイオリンについて教えて頂きたいのですが、
Imitation MADE BY gagliano
T EARLE HESKETH
MANCHESTER 1931
SPECIAL
とありますが、どなたか教えていただけませんでしょうか?
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2003/06/23 10:50 ---107.96.106
いらっしゃいませ、
HESKETHさんはイギリスマンチェスターの製作者です。
1866年、マンチェスター生まれ、G,A Chanotの弟子。ストラディヴァリ、ガルネリ、アマティー、モデルを製作したがストラディモデルが一番有名。
1900以前にはオールドフィニッシュ(オールドヴァイオリンを本物そっくりにコピーする事)を作成。1900年以降は独自のオリジナルを非常にたくさん作った。
オイルニスを使用し綺麗な素材を使った。
とあります。
Imitation MADE BY gagliano なのでgagliano のコピーという意味だと思います。
SPECIALという意味は解りませんでした。それでは!
投稿者:マリオ アロイジオ 投稿日時:2003/06/23 20:13 ---222.76.57
ストラッド店員さん、お忙しい中、調べていただき有難うございました。
Q:イタリアのヴィオラ
投稿者:JAGUAR 投稿日時:2003/06/22 21:03 ---240.54.67
始めまして。僕は今ドイツに留学中のヴィオラ学生ですが先生にイタリアの楽器が安く手に入ると言われて今借りて弾いていますが名前も聞いたことがありません。Pietro Giovanni Mantegazza?! と言う人です。値段もEuro200000位ですし考えています。有名な方なのでしょうか?!御教授お待ちしております。
投稿者:Terry 投稿日時:2003/06/23 04:42 ---110.157.66
こんにちは、Jaguarさん。私もドイツに住んでおりますが、Mantegazzaのヴィオラでそれぐらい高ければ、ほとんどMint(かんぺき)な状態のものが買えますが、状態の方はどうなのでしょうか? 鑑定書はちゃんと付いているのでしょうか?それだけ高いものでしたら、時間をかけて考えて、購入してください。
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2003/06/23 11:20 ---107.96.106
いらっしゃいませ、
Pietro Giovanni Mantegazzaはイタリアンオールドメーカーで大変有名な方です。
値段も値段ですので、慎重に購入のご検討をしてください。それでは!
Q:ヴァイオリンのケースについて。
投稿者:ふとっちょなばいおりん 投稿日時:2003/06/22 16:15 ---198.235.3
こんにちは。突然の書き込み失礼いたします。
ヴァイオリンケースについて質問させていただきたいのですが・・・。
現在、角ケース(GEWA、タイプは分かりません・・・。)を使っています。
重さや体積など、持ち運びのことを考えてヴァイオリン型(ひょうたん型)のケースを
購入しようと思い、楽器屋に行ったのですが、そこにあったメーカーのケースには
楽器が入りませんでした。試したのは、GEWA・東洋など数種類です。
どのケースも横幅がひっかかってしまい、キツいのではなく入りませんでした。
楽器が少し大きめみたいです。ひょっとしたら、アルファのストレートタイプなら入るかも
しれない、と言われたのですが、ヴァイオリン型ケースでは他に選択肢はないのでしょうか?
ちなみに、楽器はイタリアの最近の楽器です。
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2003/06/23 11:08 ---107.96.106
いらっしゃいませ、
ビオラなどは大きさが様々で、比較的大きいビオラなど対応しているのがBAMのケースです。ヴァイオリンも同様で、BAMのヴァイオリン型ケースは比較的大きな楽器でも入ります。
これから夏場になりますので、ケースに長時間入れているといろいろトラブルの元になりますので、特に新作楽器をご使用の方は、注意してください。
それでは!
Q:DODDの弓について
投稿者:tetsy 投稿日時:2003/06/22 15:49 ---234.135.114
30年ほど前に、DODDの銘のあるチェロ弓を30万円で手に入れました。その時、鑑定書などは付いてきませんでした。一応信頼できる楽器屋さんからだったので、疑うこともなく今まで使ってきましたが、最近、新作弓と弾き比べる機会がありました。それで、そのDODDが新作弓と比べてあまりに張りがなく、音が甘すぎるのに気づきました。その新作弓を買うために下取り価格を訊いたところ、5万円にしかならないとの返事でした。鑑定書のない弓の下取り価格はこんなものなのでしょうか。いままでの30年、それなりに満足して使っていたので、別に後悔はしていないのですが。
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2003/06/23 10:58 ---107.96.106
いらっしゃいませ、
下取りする際に鑑定書が付いているかどうかはあまり査定には関係ないと思います。
少なくとも当店ではそうです。弓そのものを評価いたします。
云百万という弓になると話は別ですが。
基本的に鑑定書が付いていない弓でも、素晴らしい弓はたくさんありますし、その逆もあります。
それでは!
Q:楽器に良い弦?
投稿者:terry 投稿日時:2003/06/23 05:28 ---110.157.66
古い楽器に対して、負担の少ない弦の、コンビネーションを教えてください。といっても、ただ張力が低いだけではなく、ソロ用に対応できるようなボリュームもあり、音色の豊かな、弦のことですが、、、
投稿者:terry 投稿日時:2003/06/23 05:28 ---110.157.66
忘れてましたが、ヴァイオリンです。
Q:教えてください
投稿者:増田 投稿日時:2003/06/22 00:06 ---113.96.15
はじめまして。チェロのことで質問です。
チェロを調整をお願いした際、楽器に対して駒が頑丈すぎるとのことでした。調整後、指板の高さも通常より低いということでした。で、駒を削りました、ということで、弾いてみたところ、調整前より、かなり指板と弦の間隔が狭くなっており、ファーストポジションあたりでは、スレスレといった感じです。今までとはかなり押えた時の感じが違うのでですが、問題はないのでしょうか?教えてください。
投稿者:Ive 投稿日時:2003/06/22 02:52 ---205.63.161
これは、Vcだけでなく、Vnでもよくある話です。
指板が低く、もしくは4つの弦のどれか(特に多いのが一番細い弦・VnならE弦)が、
傾きすぎている為に、一般的な工房は駒の角度や、厚さ・高さを調整します。しかし、
楽器の方はあまり削ったりしませんから、調整に限界が来るのです。
そこで、演奏者側が悩む事とになる事が起きることが、しばし起こります。
0 (増田さんがおこなわれた)調整で十分満足しているので、少々のことは我慢できる。
1 "0"では満足できないので、指板交換・ネック調整をする。
の2通りだと思います。以前、知り合いのVn弾きが相談に来ましたが、1の指板・ネック
調整を最終的にしました。チェロでいえば、D弦からA弦に移弦する祭に、あまりに
弓の角度を替えなければならなかったからが理由です。ただ、この調整は医学でいう
完全なる外科的治療です。完全にメスを入れる為に、以前良かった所が悪くなる
可能性を秘めています。
また、弦が指板に触れなければ(触れるとビリビリと音が鳴る)どんな高さでもいいのです。
完全に好みの話です。私は、しっかり弦を押さえた方がはっきり音をキャッチできるので
少々弦高は高めの調整です。最近の演奏家は低い人のほうが多い気がします。
投稿者:増田 投稿日時:2003/06/22 19:35 ---113.96.15
Iveさん、お返事ありがとうございました。
調整後の音色も気に入り、指板と弦が触れることもなさそうなので、しばらくこれで様子をみようと思います。Iveさんに感謝m(__)m
Q:Dante Fulvio Lazzari, Marcello Ive, Dario Occhipintiについて
投稿者:マリオ アロイジオ 投稿日時:2003/06/19 01:37 ---126.79.215
Dante Fulvio Lazzari, Marcello Ive, Dario Occhipintiの楽器の一般的な評価、音の特徴、細工の上手さ、値段等について教えて下さい。また、実際、弾いたことがある方、所有している方がいらっしゃいましたら感想を聞かせてくだされば幸いです。
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2003/06/20 11:21 ---107.96.106
いらっしゃいませ、
Dante Fulvio Lazzariさんですが、店主も見たことがあると言っておりました。
現代クレモナの製作者の中でも上位に位置する方のようです。
日本に結構入ってきているようで、「Dante Fulvio Lazzari」と検索すると詳しい説明が書いてあるページが見つかります。一般的な評価、音の特徴、細工の上手さ、値段等も解ると思います。それでは!
投稿者:弦一郎 投稿日時:2003/06/20 20:43 ---108.177.46
Dante Fulvio Lazzariは、試奏したことがあります。細工は綺麗で丁寧に作ってあるような気がしました。
音はよくあるクレモナ新作の感じです。
投稿者:マリオ アロイジオ 投稿日時:2003/06/21 10:34 ---108.76.182
ストラッド店員さん、弦一郎さん貴重なコメントありがとうございました。
投稿者:Ive 投稿日時:2003/06/22 03:21 ---205.63.161
『Dante Fulvio Lazzari, Marcello Ive, Dario Occhipintiについて』
は、かなり有意義なThemeです。
ここからは、私が知っている範囲でのコメントです。
まず、この3者に共通しているのは、市場にどの楽器もかなり安定した供給をしています。
オールド楽器のような、深く歴史を思わせる音はさほどありませんが、演奏をし、録音を
するには十分満足するレベルの楽器なのは確かです。Nの付く交響楽団の人や、国内外の
ソリストがよく使っているで有名です(Vn業界の人はそのことは知っている有名なこと。)
有名な新作作家の中には、3艇作って1艇しか良くないという作家は多いです。そのため、
『ラベルで買うのは危険である。』
という一般的な意見が生じるのです。ここで、どの作家がそれに該当しているのか
書くことに興味はありますが、省略します。
ここからは個別に。
Dante Fulvio Lazzari
外見もさることながら、音がすばらしいです。成熟された材を用いるので(っていうか
どの作家も成熟材は使うのだが。)3者の中では一番高額な作家です。バランスの良い
音量・音質を供給する楽器を作ります。ただ、少々高いです。
Marcello Ive
3者のなかでは1番精巧に制作されると言われます。3者ともそうですが、相当正確に
丁寧な制作です。今年のTriennaleの審査員です。音は相当バランスの良い楽器です。
一番お勧めできる楽器。Iveはマンドリン製作としても有名。
Dario Occhipinti
3者の中で一番購入しやすい価格であるのがいい。勿論、上の2人の負けないだけ
の技術・音色は十分備えている。次にストックするなら、私はこの人の楽器にしたい。
新作楽器の良さは、オールドとちがく、色々な作者を低価格で選択できる所に
あります。楽器としては高額なオールドの方がいいと思いがちですが、下手なオールド
を買って、後々そのアフターケア-で泣くより、初めからバランスの取れた楽器で
演奏する方が健全だと思います。上の3者以外でも、いい作家は結構います。
新作の楽器(勿論、イタリア以外の作家も含め)、情報交換の場が業者間だけと
限られているので、色々情報交換する場があってもいいような気がします。
投稿者:マリオ アロイジオ 投稿日時:2003/06/22 12:46 ---17.72.38
Iveさん大変、貴重な御意見、ありがとうございました。もしや、IveさんはMarcello Iveのオーナーでいらっしゃるのでしょうか?
Q:Vnの弦
投稿者:Ive 投稿日時:2003/06/20 02:44 ---205.62.248
楽器を弾いたあと、弦は緩めた方がいいのでしょうか。緩めない方がいいの
でしょうか。私は今まで、2音ぐらい落としてましたが、最近落とさないよう
になったとたん、楽器の鳴り方が良く継続的だとわかりました。弦の関係なの
でしょうか。。どうなのでしょう。。。(ひどい質問ですね。)
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2003/06/20 11:28 ---107.96.106
いらっしゃいませ、
非常に健康体な楽器であれば緩める必要はないと思います。正常な音程で保管していた方が、弾いてなくても反響などして、緩めていたときより、いい感じがする気がいたします。
また古い楽器などは、時には緩めて休ませてあげた方がいいという意見もございます。
弦の張力は想像以上に強いですからね。
このご質問に対して詳しく回答しておりますページがございますのでご紹介いたします。
http://www.sasakivn.jp/~sasakivn/qa/saitenschpan.htm
それでは!
Q:古い鈴木バイオリンについて
投稿者:小泉 隆 投稿日時:2003/06/23 21:02 ---99.195.129
はじめまして。最近家を大掃除している時に古い鈴木バイオリンを見つけたのですが(多分故祖母の物です。)、今は誰も弾く事が無いのですが、どんな物なのか興味があります。
2つあり、ラベルは「NO.360」1981年と「018」年式不明です。当時のグレード等がわかれば教えてください。
投稿者:ストラッド店員 投稿日時:2003/06/24 10:54 ---107.96.106
いらっしゃいませ、
鈴木バイオリン「NO.360」1981年のこの頃の定価が¥56000です。
もう一つの「018」は解りませんでした。すいません。
わかる方おりましたらお願いいたします。それでは!